リアンの考察部屋

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群雄割拠はまだまだこれから!次期改編新連載考察村上編!

みなさんこんにちは!リアンです!秋の改編も終わり、久々のハンタの物語に胸を躍らせた今日この頃、再びジャンプの勢力図にも変化が見えてきました。大ピンチ化と思いきや急上昇した漫画、逆に安定したかと思えばまた不穏な位置に来てしまった漫画、と作品ごとに様々な動きが見られます。

 

となると気になるのは次回の改編がどのようなものになるのか、という話です。しかもこの夏にヒロアカ・呪術とこれまで長いことジャンプを支えてきた2本の看板がジャンプを去り、未来の看板の座をかけた熾烈な争いが展開されており、ここから先のジャンプは様々な作品入り乱れる群雄割拠の時代になると予想されます。

 

そこで今回はジャンプの現状をもとに次回の改編で加わる作品のジャンルについて考察・予想していこうと思います。

 

今回の考察に当たっては前回の中間考察の内容も用いていきますので、よろしかったらそちらの方も以下のリンクからご覧ください。

rien0816.hatenablog.com

 

 

1. 前回の改編

まずは本格的な考察を始めていく前に前回の改編についてさらっとおさらいしていきましょう。

 

前回の改変において最も大きな事項は呪術廻戦の連載終了でしょう。特にその前の改編でもヒロアカが終わったため2期連続での看板作品の完結ということになり、ジャンプに激震が走りました。

 

それと同時に終了した作品が計2作品。1つ目は那波歩才先生の死霊術士バトル漫画『極東ネクロマンス』、2つ目が小林おむすけ先生の超能力日常漫画『さいくるびより』です。両作品ともそれぞれの独自の色を見せた形ではありましたが、残念ながら今回はジャンプ内の生存競争に敗れてしまいました。

 

一方の新連載。こちらはかなり開始前から話題を呼んだ作品とそうではない作品に分かれました。というのも3作品の新連載の第1弾となった『魔男のイチ』、こちらの作品は原作があの『魔入りました入間くん』を今もチャンピオンで連載している西修先生、そして作画が『アクタージュ』の作画担当としてその美しい絵柄で一世を風靡した宇佐崎しろ先生というゴールデンコンビによるものだったからです。また、前作『アメノフル』でも設定の目新しさとそれを支えるダイナミックな構図に定評のあったたけぐし一本先生とみたらし三大先生が再びタッグを組んだ『しのびごと』もそれなりに長いジャンプ読者からは期待の声が上がっていました。一方で3作品目の『白卓 HAKUTAKU』は作者の石川光貴先生が本誌に関わるのは初であったこともあり、他の2作品と比較するとあまり話題に上がらなかったという印象でした。

 

また、もう1つ大きなニュースとしてあの『HUNTER×HUNTER』が帰ってくるというものがあります。前回休載に入った際、週刊連載はもうやめるという趣旨の情報もあったため、毎週掲載されるかはわかりませんが、ある程度の期間再びあの胸躍る冒険を楽しむことができると思うとわくわくする気持ちでいっぱいです。

 

さて、前回はこのような形で改編が行われたわけですが、その傾向を見てみると、バトルの入れ替えを行って時期看板候補を探す動きが見られます。前回同様の考察を出した際、現状ジャンプは10年前と比較してバトルものが多いため、減らしていくのではと考察しましたが、看板が一気に2作品終了したとなると話が変わってきます。やはりジャンプと言えばバトル漫画。次期看板バトル漫画が安定して初めてジャンプの誌面のバランス調整にも入れるというものです。ここからは今回の新連載の調子次第ではありますが、しばらくバトルものの数は現状維持の状態で時期看板候補を探す動きがみられるのではないかと予想します。

 

2.現在のジャンプ

それでは本格的な考察に移っていきましょう。そのためにもまずは前回同様現在のジャンプの状況を確認していきましょう。確認する内容としては主に現在の連載作品のジャンル別の割合と下位掲載作品の状況です。

 

a)作品割合

1つ目に確認していくのは現在の作品のジャンル別の割合です。手っ取り早い話、現在のジャンプの中にバトルものや恋愛ものなどがそれぞれどれくらい掲載されているのかという話です。ただ今回の新連載の1つである白卓は一概にこのジャンルと言い切ることのできない系統の作品ですので、あかね噺と同様、「その他」という形で分類させていただこうと思います。また、前回はバトルとコメディの両方に1ずつ加算したキヨシくんですが、話の展開から今回はバトルものとしてカウントしていこうと思います。

 

それでは現在のジャンプのジャンル別掲載割合は以下の通りです。

 

バトル:61.9%(13/21作品)

コメディ:19.0%(4/21作品)

恋愛:9.5%(2/21作品)

その他:9.5%(2/21作品)

※その他は上記のジャンルに含まれない系統の作品

 

前回と比べてさらにバトルものの割合が上がっています。その一方でキヨシくんが本格的にバトル路線に舵を切ってきたこととさいくるびよりの連載終了に伴いコメディと言える作品は数を減らしました。その一方で変化のないポイントもありました。それはスポーツものが変わらず0であるという点です。やはりこれはかなり異質な事態であると言えましょう。

 

b)下位掲載作品

続いて現状の下位掲載作品の状況です。この下位掲載作品とは前回の記事で考察対象とした範囲(2024.32~45)における新連載補正期間を除いた平均掲載順下位作品のことです。詳しい数値は前回の記事を参照していただきたいのですが、こちらの記事では現状の下位掲載作品とその平均掲載順を載せていこうと思います。

 

1.キルアオ 15.6位

2.アンデッドアンラック 15.0位

3.悪祓士のキヨシくん 14.6位

4. 超巡!超条先輩 14.5位

5. 願いのアストロ 13.2位

 

前述のジャンルと照らし合わせると現状の下位掲載作品のジャンルはバトル4作品、コメディ1作品という形になりました。現状のバトル偏重の状況を踏まえても特にこの中のバトル作品はかなりピンチだと言えるでしょう。

 

また、平均掲載順調査の前後で急激な掲載順の変動を見せた作品も存在します。まずは急上昇を見せたのが上記のランキングにも入っている願いのアストロです。こちらは44・45号の2週にわたって一ケタ台を獲得しました。それによって一気に平均掲載順を良化させています。今後の推移次第では打ち切り候補から一気に看板候補にまで成り上がることも夢ではないでしょう。また、超巡も今後を見守っていきたい推移を見せました。というのもこれまで超危険水域での連載を見せていた中、45号で急に3位という高順位を獲得しました。また、来週号もセンターカラーであることが確定しています。逆にカラーであるがゆえに正確な立ち位置が読み切れない側面もあるのでここから数週の動きには注目でしょう。

一方、WITCHWATCHと鵺の陰陽師の両作品は41号以降少々下降調子なところが見受けられます。ウィッチに関しては来年アニメが控えているためすぐにどうこうなってしまうということもないでしょうが、逆にそういった盾のない鵺の陰陽師はここからしっかりもう一度少し前の安定した位置まで戻していきたいところです。

更にピンチなのはキルアオとキヨシくんでしょう。アンデラも危険と言えば危険ではあるのですが、ストーリーが最終盤に来てしまっているため、そこを踏まえると打ち切りを回避してしまう可能性が低くはありません。打ち切りを伝えるより普通に終わってもらった方がエネルギーも使わないわけですから。その点でキルアオとキヨシくんは厳しいと言わざるを得ません。キルアオはまだまだ物語も佳境という中でこの低空飛行ですし、キヨシくんに至ってはまだ連載開始間もありません。と考えると次回の改編に向けてはこの2作品の動向がかなり注目のポイントと言えます。

 

次項ではこれらの掲載順ピンチの作品の動向なども踏まえて次回の改編について考察していこうと思います。

 

3.次回の改編

それではここからは次回の改編でどのような作品が加わりそうか、考察・予想していきましょう。

 

a)H×Hの動向

今回の考察で1つキモとなる要素は45号より掲載が再開されたH×Hの動向です。まずこれまでのH×Hは通例として単行本にして1巻分(10話)の週刊での掲載を終えたら再び休載に入るという形を取っていました。もし今回もその通り動くのであれば2025年の2号で10話分という形になり、ここまでで休載となる、ということになります。そしてそうなるとH×Hの掲載終了は次回の改編に組み込まれるという形になります。一方で9月末の冨樫先生のXアカウントの投稿には「20話分のペン入れが終了し、さらに年内であと10話分を完成させる」という旨のポストがなされました。これによってH×Hファンは今回はこれまでとは異なり、もっと長く読めるのではないかという期待に胸を膨らませた反応をした人も多くいました。しかし、ここでネックとなってくるのが現在のジャンプはH×H含め21作品体制になっているという点です。通常ジャンプは20作品の連載作品を同時に連載している形を取っています。つまり現状は1作品オーバーしているのです。これはかなり大きな要素で、H×Hの動向次第で次回の改編で打ち切られる作品の数が変わってくるということになるのです。

具体的に説明していきましょう。現状ジャンプは1作品オーバーした状態で刊行されています。ということはどこかで必ず掲載終了作品と新連載の数を1ずらすことで作品数を調整するタイミングが来る、ということです。となるとこの話は要は現状ジャンプはどういうつもりで1作品オーバーした状態を容認しているのか、という話です。単純に冨樫先生はかなり先まで話を完成させているけどとりあえずは10話で休みに入る、ということであればH×Hを除いて2作品なら2作品ずつの入れ替わりで済み、新連載と同じ数での打ち切りが行われるということになります。これはいつも通りです。また、H×Hは週刊連載をやめるという発表もあったので、その通り毎週の掲載ではなくなるが定期的に最新話が掲載される、などであればそちらも同様、掲載作品の変動に大きな影響はありません。

問題はH×Hがこれまでとは異なり20~30話一気に掲載される場合です。その場合、H×Hが休載に入るタイミングは遅れ、その結果そのタイミングは次回の改編には間に合わなくなります。しかし、ジャンプ編集部も商売である以上作品数が多い、つまりコストが高い状態を続けたくはないでしょうから、H×Hの休載よりも早く作品数の調整を行う可能性は大いにあると言えます。となると新連載の数に対して打ち切りの数は作品数調整のため1増えるということになり、より熾烈な生存競争がここから繰り広げられるということになるのです。

 

b)作品入れ替わり予想

それではそのようなH×Hの動向の流動性も頭に入れた上で作品の入れ替わりの予想をしていきましょう。

 

まず連載終了作品の数は合計で3作品ほどではないかと予想します。ただ上述の通り、H×Hの動向次第で打ち切り作品が2作品になるか3作品になるかは変わってくると思われます。そのため今回はH×Hとはまた別に現状のジャンプの状況から一番可能性が高いと思われる2作品が連載を終え、同数の新連載が追加される場合を想定して作品の入れ替わり予想をしていこうと思います。

 

まずは終了作品。今回は全作品の状況を見るに円満に終了する作品はないと思われます。ギリギリ可能性があるとすれば夜桜さんちの大作戦くらいではないかと思われますが、後日譚を3話入れ、今年度いっぱいの52号までの連載になるとした場合、あと4話でラストの戦闘が終わるとは現状考えにくいので今回はその可能性は低いものとして扱おうと思います。となると今回は2作品の打ち切りになると思われます。となると可能性が高いのは現状ではキルアオ・アンデラ・キヨシ・村上の4作品でその次点で超巡あたりです。コメディ作品が少なくなってきている現状でいきなり2作品切ることはあまり考えにくいのでジャンルの割合としてはバトル1・コメディ1もしくはバトル2という形になると思われます。バトル作品の中で終わる可能性が最も高いのは展開がかなり巻いてきているアンデラでしょう。と言ってもこの作品は仮にも4年近くジャンプを支えてきた中堅作品です。ただ打ち切るというのではなくGIGAなどに移籍してある程度ラストまで描き切らせて形の上では完結、だけどそれより少し早めにジャンプ本誌の誌面からは去るなどのパターンも考えられます。続いて危険なのはキルアオです。こちらは掲載順などかなり厳しい状況が続いていますので今掲載中のバトルが終了した後の展開次第では一気に終わりが見えてくる場合もあり得るでしょう。コメディで一番危険であると思われるのは妖怪バスター村上です。こちらは再序盤に高評価を得られていないのはかなり響いていることが考えられます。巻末固定のギャグ枠がこの作品に久々に適用されたことで掲載順から読み取るのは難しいですが、現状のコメディ枠の作品の中ではこの作品が一番厳しいと言っても過言ではありません。また、先述の通り超巡も油断なりません。45号では3位を獲得し、46号ではカラーも獲得することが確定していますが、その分今すぐ動きを読むのが難しい部分があります。もしカラー明けの順位がまた以前の危険水域まで落ちてきた場合にはこちらが先に連載開始している分優先して終了させられることもあり得ない話ではありません。こちらの動向は要注目です。また、ここには挙げてこなかったキヨシくんも十分危険な位置にはいます。展開に巻いている様子などはありませんが、試験編が終わった後すぐに俺たちの戦いはこれからだENDを迎える場合もあるでしょう。このあたりの5作品の中から上述のジャンル割合で2作品の連載終了が一番可能性の高いパターンではないかと考えます。

 

一方の新連載についてはやはりまずは前回同様スポーツものの追加は推していきたいところです。現状のジャンプには何らかの競技を取り上げてのスポーツものは1作品もなく、それに近しいことを時々するのがアオのハコという状態です。確かにメジャースポーツの大概には近しいところで強い作品がいるのでなかなか大変なのかもしれませんが、そろそろ中心ではなくともジャンプを支えるスポーツものが欲しいところです。一方でジャンプの急務となっているのが次代の看板を担うバトル漫画です。現状ではカグラバチがまずその立ち位置に入りそうな予感がしていますが、ヒロアカと呪術という2枚看板を同時に失ったジャンプの現状としてはあともう1作品看板を張れる作品が欲しいところです。現在の連載陣からそれが出てこないとは言いませんが、むしろそれが出てくるまではある程度リソースを割き続ける必要はあるでしょう。そしてコメディも特にギャグ漫画を探していきたいところです。というのもロボ子が4年を超えるギャグ漫画としては長期の域に入る連載期間となりいつ終わってもおかしくないこと、そして現状の他のギャグ漫画が少々不安定であることを総合すると急務というほどではありませんがある程度意識を向けておく必要のあるジャンルだからです。これらの状況を総合すると次回の改編で加わる新連載はジャンルにしてスポーツ1・バトル1もしくはバトル2という構成になるのではないかと思われます。

 

まとめ

今ジャンプは大きな変革の時を迎えています。そしてそのような中で次代の看板の座を狙って多くの作品がしのぎを削っています。この熾烈な戦いを制することになるのは今なお戦い続ける現連載陣か、それともまだ見ぬニューフェイスなのか、その行く末を見守っていきましょう。また、これを読んでくださった方はぜひもし次新連載が来るならこんな作品になるんじゃないか、とかこんな作品が来てくれたら嬉しいとかコメントしていただけると嬉しいです!それではまた次回お会いしましょう!アリーヴェデルチ

とんでもない変革の時!次期改編中間考察村上編!

皆さんこんにちは!リアンです!今週久々にHUNTER×HUNTERが掲載されたことによって一通り今回の改編が終了しました。まさか2回の改編で2つの看板が一気に終了するとは…。ジャンプも激動の時代です。

 

さて、こうなってくるとまた次回の改編というものが気になってきますね!新たな作品が加われば去る作品もある。寂しいことではありますがこれも現実です。

 

そしてこの次回の改編というのは村上組もアンケート次第では首筋が寒くなってしまうという扱いになってきます。そこで今回は前回に近い形で村上編と銘打って、連載開始から次回の改変までの中間地点に当たる今、中間考察を行い、ピンチの作品の状況を浮き彫りにしていこうと思います。

 

 

 

0.考察の前提

考察に入る前に前回同様、考察を行っていくにあたってのいくつかの前提となる基準をお話していきたいと思います。

 

まず今回の考察の対象となる期間は前回の改編における最後の新連載(ひまてん!)が始まった2024年32号から今回の改編における最後の連載追加(H×H再開)が行われた2024年45号までの計13号です。

 

そして今回の考察でもいくつかの数値と数値以外の作品の情報をもとに考察していきたいと思います。前述の数値とは大きく分けて2つあり、1つが「危険水準ポイント」、もう1つが「掲載順」となっています。

 

危険水準ポイントとは今回の考察の対象となる13号分の中でその作品がどれだけ下位5位に入ったのか、そしてその中でもどれほどの危険水域での連載が行われているのか、ということを示す数値です。計算方法は非常に単純で、最下位になれば5点、そこから順位が上がるにつれて4点、3点と下がっていき、下位5位の場合は1点としてその合計を算出します。そのポイントが高ければ高いほど下位にいることが多い、ということで危険水域にいると判断します。また、中には既に今回の改編で終了した作品も下位5位に入っている場合がありますが、それらの作品は飛ばさず、例えば既に打ち切られた作品が下に2ついた上での下位3位の場合は変わらず3点として計算します。一方、雑誌の最後方固定の妖怪バスター村上や電子版限定で隔週連載されているルリドラゴンはアンケートの結果によってそこにいるわけではないので下位〇位からは外して計算します。

 

掲載順は文字通りジャンプのどの順番に掲載されているのか、という話です。巻頭カラーを1位としてそこから順番に数えていきます。その推移を追うことでその作品が上昇傾向にあるのか、逆に衰退傾向にあるのかが分かります。また、対象期間中の掲載順の平均を求め、その数値からもその作品が現状どれほどの立ち位置にいるのかを測っていきます。また、新連載に関しては始まってから約2か月程度アンケートの結果に関係なくそれなりの順位で掲載してもらえる「補正期間」というものが存在します。が、この期間の順位というのは考察のノイズとなるため、無視します。と言っても期間の長さはまちまちで明確に基準があるわけではないので、ここでは基本的に8話までが補正期間と定義づけて9話以降のデータを取っていきます。また、8話以前に掲載順が下位5位まで急落することがあればその場合は早めに補正期間が切れたと判断してその急降下した号からの平均掲載順をそれぞれの値の計算に組み込みます。

 

最後に、常に上位にいる作品のこれらの数値を求めても予想への影響が少なく、作業量ばかりが増えるので、今回は1でも上記の危険水準ポイントが入っている作品プラスデータが取れない村上以外の村上組の新連載2作品(キヨシ・ひまてん)のみを対象に数値を求めましたのであしからず。

 

それでは早速考察へと参りましょう。

 

1.危険水準ポイント

まずは危険水準ポイントです。わかりやすいようにまずは前回同様ポイントが高い(=危険な)順にランキング形式で紹介していきましょう。

 

1位 キルアオ 26P

2位 アンデッドアンラック 25P

3位 超巡!超条先輩 22P

4位 悪祓士のキヨシくん 15P

5位 願いのアストロ 11P

6位 WITCHWATCH 7P

7位 鵺の陰陽師 5P

8位 逃げ上手の若君 3P

9位 夜桜さんちの大作戦、僕とロボ子 2P

 

まず今回注目したいのは前回の考察の時比較した明暗の別れ方です。前回と比較して一気に数値を良化させたのがカグラバチです。前回はこの危険水準ポイントのランキングで2位に付けていたこの作品は今回そもそもランキングの対象外となり、むしろヒロアカ・呪術終了後のジャンプの新たな看板作品としての道を突き進んでいます。また、カグラバチ程とまではいかなくとも数値が良化しているのは逃げ上手の若君と鵺の陰陽師です。特に逃げ上手の若君に関してはアニメへの反響が大きく、アニメ放送の後期においてはかなり安全な位置にまで立場を押し上げたと言えます。

一方、かなり数値を悪化させたのが3作品。まずは前回ランキングでカグラバチと同率2位に付けていたキルアオです。こちらはミツオカダンジョン以降の反応があまり芳しくなく、現状特に厳しい作品だと言えます。続いて数値を極端に悪化させたのは超巡です。もともとギャグマンガはジャンプにおいて他のジャンルと比べても掲載順が安定しにくい傾向にはありますが、殊この超巡に関しては順位の急落が目立ち、それに伴い危険水準ポイントも悪化したという状況です。また、アンデッドアンラックも状況は芳しくなく、最近では2週連続で村上を除いた最下位を獲得したこともあり、雑誌の移籍が噂されることもありました。これらの3作品は現状かなり危険だと言わざるを得ません。

そして意外なランク入りとなったのが前回の改編で追加された『悪祓士のキヨシくん』です。こちらは序盤から評価が高く、キャラ人気もあったため、この短期間でのランク入りは正直予想外でした。

 

2.掲載順

まずは以下の画像を見ていただきましょう。

 

f:id:rien0816:20241007012404j:image

-:補正期間中

休:休載

赤枠:カラー

 

こちらは実際の対象の号における下位5位経験作品の掲載順の推移と平均掲載順、そして平均掲載順の良い方からの順位です。今回からカラーだった号については赤枠を設け、他の号の掲載順との比較もできるようにしてみました。平均掲載順に関しては前回同様、休載があった作品は載っている号の数、補正期間があった作品は補正が切れた後の号数で割っています。また、今回からは比較対象として今回の改編で打ち切られてしまった2作品の掲載順の推移も載せています。

 

やはりまず気になるところとしてはキルアオ・アンデラ両作品の不振ぶりでしょう。キルアオはヒットを経験した作家の作品かつ前半が好調であった過去があり、アンデラも昨年アニメ化を経験した作品です。そのような2作品が揃ってここまで低調になってしまったのはやはり気になるところでしょう。

 

続いて言及したいのが鵺の陰陽師とWITCHWATCHです。この2作品は少し前までは好調な推移をしていましたが、ここ1か月ほどは少々低調気味です。とは言え上記2作品よりはマシなので、この状況ならとりあえず次回の改編は恐らく乗り切れると思われますが、今後のことを考えると少しでも早く再浮上していきたいところです。

 

最初の2作品と同じくらい状況が芳しくないのはやはり超巡です。前回の考察の段階では32号の下位5位入りはギャグマンガ特有の乱高下の範囲と推測していましたが、思ったよりその後の推移は不調で、このままだと厳しいです。ですがその中でもキルアオ・アンデラと分けたのは45号でカラーとは関係なく3位に入り、次号もセンターカラーであることが判明しているからです。この勢いに乗って再来週以降も浮上したままでいられれば他の2作品と比較してもかなりまだ復活の目はある方だと言えるでしょう。

 

一方でかなり危険水域に突入してしまっているのがキヨシくんです。特に直近3週間では下位3位・下位2位・下位2位と安定して低調な状況で、来週以降は場合によってはドベまで落ちることも覚悟が必要です。特に同期のひまてん!がかなり好調な推移を続け、45号に至っては読者待望の掲載となったHUNTER×HUNTERを差し置いて第1カラーを獲得するに至っている中ではこの差は大きいと言えるでしょう。

3.数値以外の要素

ここでは明確な数字としての根拠を提示することはできませんが、一方で数字では表せない大きな影響を持っていると言える要素です。その中でも特に大きな比重を占めるのがアニメです。現在のジャンプではその時点においてアニメ放送中orアニメ化が決定している作品は打ち切られないという俗にアニメ化プロテクトと呼ばれる現象が存在します。今回の対象作品の中でその影響を受けているのはアニメ化決定及び2期決定の情報が出たWITCHWATCHと逃げ上手の若君、夜桜さんちの大作戦、そして映画が待ち受けている僕とロボ子の計4作品です。これらの作品がアニメまでの間に円満に終了する場合はありますが、今回のこの4作品には明確に直近での最終回が見えている作品はありませんのでその可能性は除外してもよいでしょう(まだ呪術が掲載されていたころの前回も似たようなことを言っていた気もしますが)。そしてこの波に乗れなかったことでかなり苦しくなったのはアンデッドアンラックです。こちらは8月初頭にアニメ関連の何らかの発表があるとされていましたが、それが2期の発表ではなく、年末のアニメスペシャルという形になりました。もちろんこれによってプロテクトがかからないとは断言できませんが、やはり30分アニメや映画と比較すると苦しいところがあるのは否めません。

 

続いて現状の話の展開です。現状新章に突入しようとしているのが鵺です。こちらは最初の鏖との対決に向けて味方の底上げにかかる修行パートが行われている最中です。そしてこの修行パート、同時にラブコメパートも兼任しており、何ならこちらの方がバトルより人気じゃない?という節があります。そしてもちろん今後のバトルもこれまで以上に盛り上がることが予想されるのでここできちんと再浮上をしたいところです。続いてアンデラはかなり話を巻きにかかっている様子が見て取れます。これが次の改編で終わらせるためかはわかりませんが、作品の終わりが近づいているのは間違いないでしょう。その一方でそのペースで大丈夫か心配なのはキルアオです。キルアオは現在最初の幻獣組希少種との最初の戦いに臨んでいますが、現状の立場と比較して少々展開がのんびり過ぎるようにも思われます。もう少しテンポを上げないとさらに読者が離れることも想定されます。また、アンデラ同様最終盤に差し掛かっているのは夜桜さんです。旦とはどのような決着を迎えるのか、そしてあるふぁが見た未来の正体は何なのか、気になるポイントが続きます。また、逃げ上手の若君も北条時行の戦いはもうわずかになっています。これから時行はどのように尊氏と対峙していくのか、そしてどのような結末を迎えるのか楽しみにしたいところです。

 

今回の考察においてかなりイレギュラーな要素は妖怪バスター村上です。巻末固定のギャグマンガですが、その分現状の立ち位置が正確に測れないというのが正直なところです。しかしスタートダッシュに失敗したのが痛かったか、このままでは苦しい作品の一角かもしれません。

 

とこのように語っていけばキリはありませんが、前回の改編後と比べてもかなり熾烈な争いになっているのが現状で、今後の展開とその反応次第でどの作品がピンチとなるか本当にわからないのでどれも目が離せないと言ったところでしょう。

 

4.危険度ランク

さて、ここまで様々な要素から現状の各作品の打ち切りのリスクについて考察していきました。そしてここではそれらの要素をもとに2024年45号時点での次期改編における打ち切りの危険度をランク形式で紹介していきます。ランクはA~Eで構成され、そのそれぞれの状況が

 

A:まあ心配はないでしょう

B:このまま推移すればとりあえずは大丈夫

C:油断は禁物、まだまだ押し上げたい

D:ここからが正念場

E:かなり危ない、どうにか持ちこたえよう

 

というイメージです。つまりAに近ければ近いほど安心というわけです。そして今回掲載順推移の表に名前の挙がった中で現在も連載が続いている11作品のランクは以下のようになります。また、これは次回の改編においての打ち切りの危険度のため、Aの中には現状アニメ化プロテクトのかかっている作品も入れることをご了承ください。

 

 

A:夜桜さんちの大作戦、僕とロボ子、逃げ上手の若君、WITCHWATCH

B:ひまてん!

C:鵺の陰陽師、願いのアストロ

D:超巡!超条先輩、悪祓士のキヨシくん

E:キルアオ、アンデッドアンラック

 

 

この中で下位に位置する作品ほど次回の改編でジャンプを去ることになるリスクは高くなると言わざるを得ません。ですが、これは中間考察です。まだここから次の改編までの中で如何様にも持っていける可能性はあります。

 

もちろん、それぞれの作品のファンの方からすれば納得のいかない位置に自分の推し作品が入ってしまっているかもしれません。しかしこれはあくまでジャンプの誌面上から読み取れる情報をもとに構成したランク付けです。僕個人としては生き残ってほしい作品も下位に入っています。お互い中々ピンチで大変ですが、頑張ってアンケートを入れて応援していきましょう!

まとめ

現状での次期改編の予想としては以上になります。次の改編は例年通りであれば恐らく11月末から12月頭にかけて、ジャンプとしての年度が切り替わるタイミングになるでしょう。今回の打ち切り候補たちのレベルの高さを見る限り、次回は多くを打ち切るのは難しいと思われ、むしろ少なめに切って誌面の様子を見ると言った形になるのではないかと思います。ヒロアカ・呪術とジャンプの二枚看板が続けて終わった今、ジャンプは現状打ち切り候補に名を連ねていてもちょっとしたきっかけでどの作品でも看板候補にまで名乗りを上げられる群雄割拠な時代に突入しています。いつか自分の推し作品の主人公が集合表紙でルフィの隣に立つ日を夢見て作品を応援していきましょう!それではまた次回お会いしましょう!アリーヴェデルチ

次はどんな作品が来る?次期改編新連載考察アストロ編!

皆さんこんにちは!リアンです!さてさて、先の改編でひまてん!が追加されてからはや2週間、ちょっとずつジャンプとしての勢力図にも変化が出てきました。改変後浮上した漫画、逆にピンチとなった漫画、あまり状況に変化のない漫画、いろいろあります。

となってくると次に気になってくるのは次回の改編で追加されることになる新連載についてです。特にこの6,7月にはジャンプにとって特大の変化が起こった次期。次の新連載には1つ大きな期待がかかるとも言えます。

そこで今回はジャンプの現状をもとに次回の改編で加わる作品のジャンルについて考察・予想していこうと思います。

今回の考察に当たって前回の中間考察の内容も用いていきますので、よろしかったらそちらも以下のリンクからご覧ください。

rien0816.hatenablog.com

 

 

1.前回の改編

ではまず本格的な考察を始めていく前に前回の改編についてさらっとおさらいしていきましょう。

前回の改編において最も大きな事項と言えばやはりヒロアカの連載終了決定。10年続いたジャンプの押しも押されぬ看板作品が惜しまれながらジャンプを去ることとなります。正確にはあと2話、残っていることにはなりますが、今回の考察においては近い将来避けられぬ未来として既に終わったものとして考察を進めます。

それと同時に終了した作品が2作品。1つ目は寺坂研人先生のゴルフ漫画、『グリーングリーングリーンズ』、2つ目が松井琳先生の生物進化ホラーアクション漫画『Dear Anemone』です。両作品とも一定数のファンがつき、輝きを放った場面もありましたが、惜しくもジャンプ内の生存競争に敗れたという形になってしまいました。

一方の新連載、こちらは始まる前からかなり物議を醸しました。というのもタイトルから見ると3作品の追加の中で2作品が退魔ものというかなり偏った構成になっていたからです。その3作品というのは伊原大貴先生の『妖怪バスター村上』、臼井彰一先生の『悪祓士のキヨシくん』、小野玄暉先生の『ひまてん!』です。またその中でも妖怪バスター村上は数年ぶりに巻末固定のコメディ枠が採用されることとなり、かなり誌面の構成に影響を及ぼしたと言えます。

この改編において見られる傾向としてはバトルものを減らし、コメディや恋愛など日常を描くタイプの作品を増やそうとしている、ということです。これはひまてん!の連載開始前予想記事でも少し言及した話ですが、近年のジャンプは10年前と比べてバトルものの割合が高い傾向にあり、その修正に向けて動いているものと考えられます。今後の新連載においてもバトルものの数は維持or減少の方向で連載が追加される可能性は高いと言えるでしょう。

 

2.現在のジャンプ

それでは本格的な考察に移っていきましょう。そのためにまず確認していきたいのが今のジャンプの状況です。連載作品の割合や下位掲載作品の状況などについてまずは確認していきましょう。

 

a)作品割合

1つ目に確認していくのは現在の作品の割合です。割合というのは要はどのようなジャンルの作品がどれくらいの割合で本誌掲載されているか、という話です。と言っても次回の改編のころにはヒロアカはおそらく連載終了しているためこちらは計算に含めません。また、基本的にはバトル、スポーツと言った形でその作品のメインの要素をその作品のジャンルとしていきますが、キヨシくんについては現状の5話ではバトルともコメディとも判断がつきにくい状況ですので一度両方に加算していこうと思います。

 

それでは、現在のジャンプのジャンル別掲載割合は以下の通りです。

 

バトル:60%(12作品)

コメディ:30%(6作品)

恋愛:10%(2作品)

その他:5%(1作品)

※その他は上記のジャンルに含まれない系統の作品(今回はあかね噺)

 

実に6割の作品がバトルものであることが分かります。また、昨年の同時期と比べてもコメディ作品も多めであることが分かります。一方、ジャンプの様々な時代を彩ってきたスポーツものと呼ばれる作品が現状1作品もないことが分かります。これはかなり例年と比べても特異な傾向にあると言えるでしょう。

 

b)下位掲載作品

続いて現状の下位掲載作品の状況についてです。この下位掲載作品とは前回の記事で考察対象とした範囲(2024.24~32)における新連載補正期間を除いた平均掲載順下位作品のことです。詳しい数値は前回の記事に表を乗せてあるのでそちらを参考にしていただきたいのですが、現状の下位掲載作品とその平均掲載順がこちらです。

 

1.さいくるびより 18.0

2.極東ネクロマンス 17.3

3.アンデッドアンラック 13.4

4.願いのアストロ 12.5

5.キルアオ 12.4

 

前述のジャンルと照らし合わせると現状の下位掲載作品のジャンルの割合はバトル4作品、コメディ1作品という組み合わせになります。現状のバトル偏重の傾向を踏まえてもこのあたりの作品がピンチであることは間違いないでしょう。

 

加えて、この平均掲載順調査の後で急激にピンチを迎えた作品も存在します。それが沼駿先生の『超巡!超条先輩』です。それ以前は比較的中位層に位置することが多く、下位5位に入ることがなかったわけではありませんが、それもコメディ作品特有の乱高下の範囲内でした。しかしここ数週間で低空飛行が続き、少々危険水域に入ってきたと考えてもいいでしょう。

次項ではこれらの掲載順ピンチ作品の考えられる動向なども含めて次回の改編について考察していこうと思います。

 

3.次回の改編

それではここからは次回の改編でどんな作品が加わりそうか、考察・予想していきましょう。

 

次回の改編において大きな影響を及ぼす要素が6月24日に発表されました。それは編集長の変更です。2017年から7年にわたってジャンプを作る中心となっていた中野編集長が異動となり、代わって齊藤優編集が新たな編集長として就任することとなりました。この発表があったのはちょうど前回の改編が続く最中でした。そのため前回の改編ではまだ前編集部が中心に改編を進めていたと思われます。齊藤編集長を中心とした新たな編集部の色が出てくるのは次回の改編からとなってくるでしょう。それではどのような傾向の変化が出てくると考えられるのか、詳しく考察していきましょう。

前編集長の中野博之氏は編集者としてネウロやトリコ、べるぜバブと言ったバトルものや少々癖の強い作風の作品の立ち上げに関わっています。いわばそのような作品を好む傾向にある、ということでしょう。また、中野氏が編集長を引き継いで1年以内に呪術廻戦が始まっており、編集長の好みと流行った作品が合致したことにより近年の少々ダークな作品や退魔もの作品が増えたと思われます。一方、新たな編集長・齊藤氏は黒子のバスケニセコイ、ぼく勉といった作品の立ち上げに関わっており、スポーツものやラブコメ、日常ものに特化した編集者でした。となるとバトルもののジャンルの偏りは一度リセットされ、一方で新連載としてはバトルものよりもスポーツや恋愛、コメディなどの作品が増えることが予想されます。もちろん、呪術廻戦も最終局面を迎える中で新たなバトル漫画の看板候補を探すことをやめるとは考えにくいですが、同時にジャンプの雑誌全体としての偏りの修正も新編集部にとっての当面の課題となっていくでしょう。

 

さて、そうなるとここからどのような作品の入れ替わりが起こっていくのでしょうか。まず現状のジャンプとしては極東ネクロマンスがここ数週間で畳みに入っています。ということは次回の改編に向けて連載終了することが考えられます。一方でその極東ネクロマンス以外に展開として畳みにかかっている作品はありません。となると、新連載が例年より多い今年のジャンプにおいて次回の改編が1作品のみの交代で終わるとも考えにくいので、いつどこで終わったとしても問題のない1話完結のコメディ作品をもう1つ完結させると考えられます。そこに該当するのがネクロと同じくらい平均掲載順としては厳しい状況に立たされているさいくるびよりが挙げられます。もしこの2作品が終了した場合、ジャンプから去る作品のジャンルはバトル1・コメディ1という形になります。新連載の方もそれを踏まえた形での追加となってくるでしょう。

その新連載は何か、と問われても僕自身一読者ですので具体的にはわからないよ、としか答えられないのですが、ここまで何度も言及してきた作品のジャンルという形ではお答えすることが可能です。ですので、編集長の変更、そして終わると思われる作品のジャンルを踏まえた次回の改編で加わる新連載のジャンルという形で僕の予想を発表していきます。

次期改編における新連載のジャンルとはスポーツ1+バトルorコメディ1の計2作品です。そう考えた理由をお話していきましょう。まずスポーツもの。こちらは上述の掲載作品のジャンル割合を見ていただいても分かる通り、現状のジャンプにはスポーツものと呼ばれる作品は1つもありません。これは恐らくそもそもジャンプではスポーツものが鬼門であることに加え、近年の主流スポーツであるバスケやバレーボールには強すぎる比較対象が近年の作品に存在していることが理由の1つだと考えられます。その一方で、ここ1,2年でゴルフやフィギュアスケートと言った分類としては個人種目に当たる競技を題材とした作品は失敗に終わってしまったと言えるでしょう。それはどちらもその競技の素人を主人公にしたが故に作品の中で”選手として”の目標が明確化できなかったこと(ここではオリンピックやマスターズなどの到達点のこと)もあると思いますが、一番は競技の特性上自分自身のメンタルや技術との勝負になり、団体競技程仲間の存在を読者に感じさせにくいことが要因であると考えられます。となるとこれらの現状を踏まえた団体競技を題材とした新連載が来るのではないかと予想しています。続いてバトルもの。つい先ほどバトルが例年より多いので減らしていくのでは、という話をした矢先ではあるのですが、ネクロの代わりに新たなバトルものを入れて数自体は現状維持になる可能性はあると考えています。その理由は非常に単純で新編集部を象徴するような看板作品を発掘するためです。ジャンプの長い歴史の中で様々なジャンルの看板作品がその誌面を彩ってきましたが、やはりジャンプの花形はバトルもの。特にここ2,30年のジャンプにおいては各政権にそれを象徴するようなバトルもの作品が存在しています。現に中野政権下でも呪術廻戦という看板が発掘されています。それと同様、ここから1年ほどかけて齊藤新政権を象徴するような看板バトル作品を探し、次回の改編をその第1歩とする可能性はあるでしょう。そして最後がコメディ作品です。こちらは主にロボ子の後釜探しです。最近僕とロボ子が4周年を迎えました。これはコメディ作品としては長い方で、ジャンプの中でもいわゆるギャグマンガに分類されるようなコメディ作品は2~3年周期では入れ替わりが発生します。そういう意味ではロボ子は少し長生きの側で、ジャンプとしてはそろそろ後任となる新たなギャグマンガを探したい状況でしょう。これまでその候補であったのが超巡だったのですが、現状このままだとむしろ超巡の方が先に終わりかねない状況に陥っています。来週以降の超巡の推移次第では本格的に新しいギャグマンガが追加される日もそう遠くないかもしれません。

とここまで3ジャンルを挙げた理由を述べてきましたが、その中でもスポーツとバトル・コメディで分けたのには理由があります。それは優先順位です。現状スポーツものは0作品、早急に追加する必要があるでしょう。一方、バトルとコメディは現状数自体には余裕があるので何回かの改編にわたってその目標を達成していきたいという感じです。となると次回の改編では優先的にスポーツものを増やし、バトルやコメディは何回かに分けてもいいつもりで追加すると考えられます。そのため今回はこのような分け方にしてみました。実際にはどのようなジャンルの作品が何作品追加されるのかはその時になってみないとわかりませんが、一意見として参考にしていただければと思います。

 

まとめ

ヒロアカの最終回まであと2回ともう完結が間近に迫ってきております。いつか来ることと分かっていてもやはり寂しいものです。しかし別れがあれば出会いもあると申しますように、きっとまた新たに素敵な作品に出会うこともできるでしょう。これを読んでくださった方も是非、こんな作品が来るんじゃないか、こんな風になるんじゃないか、というのをコメントしていただければ幸いです。

それではまた次回お会いしましょう!アリーヴェデルチ!!

今ピンチなのはどれ?次期改編中間考察アストロ編!

皆さんこんにちは!リアンです!今週のひまてん!の連載開始を以て一通り今回の改編が終了しました。正確には一応ヒロアカの最終回は残ってはいますが…。

さて、こうなってくるとジャンプ読者の興味の対象の1つとして次回の改編というものが挙げられます。新たに加わる作品があれば去る作品もある。今回も3作品の追加に対してヒロアカの連載終了も含めて3作品がジャンプを去ることとなりました。

さて今回の改編が終わったということは次回の改編ではアストロ組もアンケートなどの成績如何によっては…というフェーズに入るということです。

そこで今回はアストロ編と銘打ち、連載開始から次回の改編までの中間地点に当たる今、中間考察として次回の改編の内容について考察していこうと思います。

 

 

0.考察の前提

考察に入る前に今回の考察に当たっていくつか前提となる基準をお話していきましょう。

最初に今回の考察の対象となるのは前回の改編における最後の新連載(さいくるびより)が始まった2024年24号から今回の改編の最後の新連載(ひまてん!)が始まった2024年32号までの計9号です。

そして今回いくつかの数値と数値以外の作品に関わる情報をもとに考察していきます。そしてその数値として用いるのが「危険水準ポイント」と「掲載順」の2つです。

危険水準ポイントというのは今回の考察対象となる9号分の中でどれほど下位5位の掲載順に入ったのか、そしてその中でもどれほどの危険水域での連載が行われているのか、ということを示す数値です。計算方法は非常に単純、最下位になれば5点そこから4点、3点と獲得ポイントは減っていき、下位5位の場合は1点としてその合計ポイントを算出します。ポイントが高ければ高いほど下位にいることが多い、ということで危険水域にいると判断します。また、中には既に今回の改編に向けて打ち切られた作品も下位5位に入っている場合がありますが、それらの作品は飛ばさず、例えば既に打ち切られた作品が下に2ついた上での下位3位の場合は変わらず3点として計算します。一方、今回の改編で加わった妖怪バスター村上ですが、この作品はアンケートに関係なく最後方固定となることが発表されたため、こちらは下位〇位にはカウントせず、その1つ上に載っている作品からカウントしていきます。

掲載順は文字通りジャンプの中のどの順番に掲載されているのか、という話です。巻頭カラーを1位としてそこから順番に、という形になります。その推移を追うことでその作品が上昇傾向にあるのか、むしろ勢いが死んで行っているのかがわかります。また、期間中の掲載順の平均を求め、その作品が現状どれほどの水準にいるのかを測っていきます。また、新連載に関しては始まってから2か月程度アンケートに関係なくそれなりの順位で掲載してもらえる「補正期間」というものが存在します。この期間に関しては正直考察への影響が全くないので、無視します。と言っても具体的な基準がないので、ここでは基本的には8話までを補正期間と定義づけて9話からの掲載順を、それより前に掲載順の下位5位までの急降下が発生した場合は早めに補正期間が終わったと判断し、そこからの掲載順をそれぞれの値の計算に組み込みます。

最後に、常に上位にいる作品のこれらの数値を求めても作業が増えるだけで考察への影響はありませんので、今回は1でも上記の危険水準ポイントが入っている作品のみを対象に数値を求めましたのであしからず。

それでは早速考察へとまいりましょう。

1.危険水準ポイント

まずは危険水準ポイントです。わかりやすいよう、まずはポイントが高い(=危険な)順にランキング形式で紹介していきましょう。

 

1位 極東ネクロマンス 17P

2位 さいくるびより、キルアオ、カグラバチ 10P

5位 鵺の陰陽師 9P

6位 逃げ上手の若君、アンデッド・アンラック 7P

8位 僕とロボ子 6P

9位 願いのアストロ 5P

10位 夜桜さんちの大作戦 3P

11位 超巡!超条先輩 1P 

 

特筆すべきなのはやはり極東ネクロマンスとさいくるびよりでしょう。どちらも前回の改編で加わった新しい作品です。しかし両作品とも補正の切れた後の少ない号数でこれほどまでの高得点を獲得してしまっています。このままでは次回の改編、かなり危険だと言わざるを得ません。

また、アニメ1話がかなり話題になった逃げ上手の若君と昨年秋から2クールでアニメ放送が行われたアンデラが揃って6位にいます。毎週読んでいて感じる掲載順の苦しさの印象と比べると意外とまだギリギリ余力を残している状態かなと思われます。それぞれアニメ効果とタチアナ編効果が見られることを期待したい両作品です。

ギャグ枠であるロボ子と超巡に関してはギャグ枠特有の乱高下の範囲かなと思われます。ギャグ枠は比較的下位作品のカラーの影響を受けやすいジャンルです。そのためその流れで下位5位にも入ることがあるのでそこまで危険という印象はありません。

 

2.掲載順

まずは以下の画像を見ていただきましょう。

 

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-:補正期間中

休:休載

 

 

こちらは実際に対象の号における下位5位経験作品の掲載順の推移と平均掲載順、そして平均掲載順の良い方からの順位です。平均掲載順に関しては休載があった作品は載っている号の数、補正期間があった作品は補正が切れた後の号数で割っています。

まず特筆すべきはやはりアストロ組3作品の補正後の不調具合でしょうか。アストロは補正の切れた直後の2週間はそれなりの調子でしたが、その後31号で急降下しています。また、極東とサイクルに関しては8話時点で補正が切れ、順位もアストロ以上に落ち込んでいます。ほぼ改変が終わって本格的にレース再開となる次号以降、どうリカバリーを利かせられるかがこの3作品にとっては肝となってくるでしょう。

続いて話しておきたいのが鵺の陰陽師とカグラバチです。この作品はこの数週間で大ジャンプアップをしました。鵺に関しては先週突如4位へのジャンプアップ、今週も第2カラーをもらっての7位と一気に好調の兆しを見せ、カグラバチも今週一気に2位まで飛び上がり、集英社としてのこの2作品への情熱が見えた結果が分かりやすい形となりました。対象期間の前半において苦しい推移をしていた両作品ですが、ここに来て次期看板候補としてのポテンシャルが垣間見えたと言えるでしょう。

一番安定しているのは夜桜さんです。期間中2度下位5位まで落ちたことはあるものの、それ以外は基本1ケタ台で推移しており、このまま物語終盤まで行ってくれそうな勢いです。

 

3.数値以外の要素

ここは何か明確な根拠を示せる場所ではありませんが、数字には出ない大きな影響を持っていると思われる要素です。その数値以外の要素の大半を占めるのはぶっちゃけアニメです。現在のジャンプにおいてはその時点においてアニメ放送中もしくはアニメ化が決定している作品は打ち切られない、という俗にアニメ化プロテクトなどと呼ばれる現象が存在します。今回挙げた作品の中でその影響を受けているのは逃げ上手の若君と夜桜さんちの大作戦、僕とロボ子が当てはまります。とは言っても円満に連載終了する場合はあるのでそこで枠が全く空かないということはありませんが、かなりレアケースでしょう。そしてここに再び加わる可能性があるのがアンデッド・アンラックです。アンデラは8月初頭にアニメに関連する新情報が出ると言われています。もしこの新情報というのがアニメ2期or映画化であった場合しばらく安泰となる、という話になります。この真偽は8月までお預けですが、作品のファンとしては良い話が聞きたいところでしょう。

続いて現状の話の展開です。鵺・カグラ両作品の今の展開が激熱であるのは大方のジャンプ読者が知っていることとして、そこにどうにか食らいつきたいのがアンデラとキルアオです。アンデラは最後に残しておいた特大のカードをついに切ってきました。風子の妹のようで大親友でもあったタチアナを救う、といういわばファンが待ちに待ったエピソードです。上記の通り、アストロ組を除けば現状一番平均掲載順が低いアンデラですが、ここ2話の上昇傾向に加え、この特大のエピソードを当てることができれば急浮上する目が残されているのが現状で、そこに先述の新アニメ予想が当たったとなれば最終回まで駆け抜ける可能性が跳ね上がります。となるとピンチなのがキルアオです。こちらもミツオカダンジョンのエピソードによって物語の本筋に関わる重要な情報が手に入る可能性が60話で提示されました。ここからのエピソードでギアチェンジできればまだ可能性は残されています。ですがそこはアンデラとは150話分の積み重ねの差、言い換えると読者視点の物語やキャラへの思い入れの差があります。相当なパフォーマンスが要求されることでしょう。そのような苦境に藤巻先生がどう立ち向かうのか、見どころだと思います。それ以外にも極東ネクロマンスはここに来て素晴らしい演出力を発揮していますし、逃げ上手の若君もアニメの大反響に合わせて北畠顕家編が佳境です。まだまだどの作品もここからの展開次第でどうなるかわからないのでどれも応援していきたいところです。

 

4.危険度ランク

さて、ここまで様々な要素から現状打ち切りのリスクを孕んでいる漫画とそのリスクの大きさについて考察していきました。そしてここではそれらの要素をもとに2024年32号時点での次期改編における打ち切りの危険度をランク形式で紹介していきます。ランクはA~Eで構成されます。そしてそれぞれの状況が

A:まあ心配はないでしょう

B:このまま推移すればとりあえずは大丈夫

C:油断禁物、まだまだ押し上げたい

D:ここからが正念場

E:かなり危ない、どうにか持ちこたえよう

というイメージです。つまりAに近ければ近いほど安心と思ってください。そして今回名前の挙がった11作品の現状のランクとしては以下のようになります。また、あくまで次期の改編においての打ち切り危険度の話なので、Aの中には今季アニメ化プロテクトのかかっている作品も入れることをご了承ください。

 

A:夜桜さんちの大作戦、僕とロボ子、逃げ上手の若君

B:超巡!超条先輩

C:鵺の陰陽師、カグラバチ

D:アンデッド・アンラック、キルアオ、願いのアストロ

E:極東ネクロマンス、さいくるびより

 

この中で下位に位置する作品ほど次回の改編においてジャンプを去ることになるリスクは高くなると考察しています。ですが、タイトル通り、これは“中間”考察。いわばこの後半からの推移次第では比較的上の方にいる作品でも沈む可能性は全然あります。

もちろん、それぞれの作品のファンの方の中には絶対こんなに低くない!まだ舞える!とお思いの方もいらっしゃるでしょう。ですがこれはあくまでジャンプ誌面上から読み取れる情報をもとに構成したランク付けで、僕個人として生き残ってほしい作品も下位にランク付けしているものもあるので、お互いさまと割り切っていただければ幸いです。

 

まとめ

現状での次期改編の予想としては以上になります。その当の次期改編はヒロアカがもう少しだけ続くことも踏まえるともう少し先になると考えられますが、例年8月末から9月半ばのころにかけて一度新連載が来る傾向にあります。と言ってもヒロアカが終わってすぐに新連載というのも忙しいので少し遅めに9月半ばごろに次の改変がやってくると考えています。例年その頃の新連載は2~3作品の追加になることが多いです。となると今回の改編のヒロアカのように何か完結を迎える作品がない限り次回の改編は追加される新連載の数と同数の打ち切りが発生すると予想されます。そして例年10~12作品程度の新連載が始まる中で今年は既に新連載が9作品とかなりハイペースで新連載が送り込まれています。今年の秋もかなりの数の新連載が来ることも想定され、次回の改編も3作品来てもおかしくない状況です。多くの新連載が来るということはその分既存の作品の生存競争が激しくなるということでもあります。それぞれ推しの作品があると思います。それを生き残らせたくば皆さん、紙でも電子でもどちらでもいいので、本誌を買ってアンケートを出して推しを応援しましょう!それではまた次回!アリーヴェデルチ

待望の新たなラブコメ!「ひまてん!」を連載開始前にちょっとだけ予想!

どうも皆さんこんにちは!リアンでございます。前回の新たな試みはいかがでしたでしょうか?楽しんでいただけたなら幸いです。

さて、今回は再び漫画の話題に戻っていきましょう。今回筆を執った理由はタイトル通り、ジャンプに新たなラブコメが連載されることが決定したこと!現在連載されていてかつアニメ化も決定している「アオのハコ」の爽やかで甘酸っぱい雰囲気も大好きなのですが、僕自身人生で初めて摂取したラブコメが「ニセコイ」なもんですから、あんな感じの普段はコメディ強め、時折関係が進展、みたいな王道のラブコメが大好物なんでございます。そして2024年7月、そんな王道の匂いのするラブコメが始まろうとしているのです。

そこで今回はその新たなラブコメ、「ひまてん!」についてどんなお話になりそうか、妄想がてら少し予想していこうかなと思います。

 

 

0.読むだけで疲れるジャンプ…

昨今、ジャンプの漫画の中で一大ブームを生み出した作品と言えば「鬼滅の刃」、「呪術廻戦」、「チェンソーマン」といったダークな雰囲気も醸し出すバトル漫画です。そしてこれらの漫画が流行った結果、ジャンプに連載される漫画の傾向や割合にも変化が生じました。

その変化というのは

 

「ダークファンタジーなバトル漫画を増やそう!」

 

というものです。実際、現代劇・ファンタジー問わずその後のジャンプには少々ダークな雰囲気を醸し出したバトル漫画が増えました。また、一見明るい雰囲気に見える作品の中にもその登場人物には激重な過去があった、という感じの作品も少なくありません。

その結果割を食ったと言えるのはラブコメやギャグ、スポーツものや日常系と分類されるような作品たちです。少し前に遡るとジャンプには看板となるバトル漫画の脇を固めるようにハイキュー、黒バス、ニセコイ、斉木楠雄、磯部磯兵衛といった熱いの方向性が異なったり作品の雰囲気が緩かったりと一種の味変とも言える作品が一定数存在していました。しかしここ数年そのような作品たちは数を減らし、前述のブームに合わせたような少々ダークな作品が勢力を伸ばしました。

これはこれで結構面白い作品には出会えているのですが、それと同時にこのような意見も目にするようになりました。それは

 

「今のジャンプは読んでて疲れる…」

 

というものです。大体ジャンプというのは1号あたり連載作品でだいたい20作品ほど掲載されています。そしてその中で所謂バトルものと呼ばれる作品は2024年開始時点で13作品、実に6~7割もの作品がバトルものなのです。これはかなりバトルものにリソースを割いていると言えるでしょう。例えば平成後期に置いて特に連載陣が厚かった時期と言える2015年のとある号を見てみると、バトルになったり日常コメディ回になったりを繰り返す暗殺教室銀魂を含めてバトルものと言える作品は19作品中9作品、半分もないのです。こうしてみると今のジャンプがどれほどバトル偏重と言える雑誌の構成になっているかがわかっていただけることでしょう。さらに度々言及している昨今の鬼滅ブームや呪術ブームによってバトルものの漫画自体全体的にダークな、言い換えると話の重たい作品が増えています。そのような状態になった結果、人によっては今のジャンプは読んでて疲れる、という感想を抱く結果になってきているのです。

一転、ここ2,3か月のジャンプはそのような傾向を変えようとしている、というのも感じ取れます。というのもここ数回の改変においてバトルもの以外の作風の作品の新連載が増えてきているからです。まあそれをあまりよく思っていない方も中にはいらっしゃるようですが、僕としては頭と感情のエネルギーをあまり使わずに済むタイプの漫画が度々差し込まれるのはほっと一息つけてありがたいという気持ちもあります。

そしてそのような変革期のジャンプにおいてやっと現れた待望の王道ラブコメの予感のする新連載、それこそが来週から始まる「ひまてん!」なのです!

 

1.「ひまてん!」とは?

前置きがかなり長くなりましたが、ここからは本題に入ってまいりましょう。2000年以降のジャンプにおいて必ず1作品から2作品、枠が割かれていたジャンルがラブコメです。そして2作品載っている場合大雑把に分けていちごやニセコイに代表される王道ラブコメTo LOVEるやゆらぎ荘に代表される少々エッチなラブコメと系統分けされていました。その中でも比較的欠かさず載っていたのは王道の側の作品です。しかしここ数年、いわゆる「ラブコメ」と言えるジャンルの作品はジャンプにはありませんでした。恋愛を題材にした漫画としては冒頭でも紹介した「アオのハコ」が人気を博していますが、あちらはラブコメの”コメ”の要素は薄く、その代わりスポーツ漫画としての要素が入っていました。そのような現状においてアオのハコとは別に読者が待望していたのが笑えてキュンと来る、そんな王道のラブコメだったわけです。

そしてそんなジャンプの新たな王道ラブコメとしての期待が高まっているのが「ひまてん!」です。

「ひまてん!」は小野玄暉先生の描く「家事代行×女子高生社長ラブコメ」(本誌予告より抜粋)です。そしてこの小野先生、2017年に「フルドライブ」という卓球漫画を連載されていた経験のある作家さんで、その頃から先生の描く女の子の可愛さに定評がありました。そのため、今回ラブコメを描かれると聞いた時、「あ、ぴったりかも」なんて少々偉そうではありますが思った次第です。

次号予告から読み取れる内容としては主人公家守殿一がバイトの家事代行で訪れた先がヒロインの女子高生社長の家でそこでのわちゃわちゃが見どころ、と言ったところでしょうか。

さて、次のパートでは妄想がてらの予想に入っていくわけですが、とは言ってもジャンプのラブコメは比較的1話単発のお話がほとんど。そもそも1話も始まっていないのに展開の予想もへったくれもないので、こんなキャラクターが出てきそうじゃない?といった予想になります。

 

2.「ひまてん!」登場キャラクター予想!

さて、先にも述べた通り、ストーリーの展開は予想しようがないので、登場しそうなキャラクターの性質や背景について予想していこうと思います。

a)主人公とメインヒロイン

まず予想していくのは主人公とメインヒロインについてです。

主人公については既に名前が次号予告に登場しています。その名も家守殿一、家事代行業のアルバイトをしている高校生です。予告の見た目の雰囲気からすると比較的線の細い普通の高校生、と言った感じで、家事代行のアルバイトをしていることから家事全般が得意であることはまあ想像に難くない、と言ったところでしょうか。また、アルバイトをしている、という設定から、ラブコメ主人公あるあると言っても過言ではない、家が少々貧しい、と言った設定も出てくるかもしれません。

メインヒロインについては名前はまだ判明しておらず、ビジュアルと女子高生社長である、ということだけが分かっています。ただ、家事代行業を依頼する必要がある、という一点から予想すると家事はあまり得意ではない、もしくは事業が忙しくておろそかになっている、かつ、親とは離れて暮らしている、といったあたりが想像できます。もしかしたら俗に言う「メシマズ」という属性持ちでそれに関わる回があってもおかしくありません。

 

b)その他のヒロイン

ジャンプのラブコメに欠かせないのがメインヒロインのライバルとなるヒロインの存在です。千棘に対する小咲や万里花、東城に対する西野や北大路と言った具合にです。とした時にいくつかの考えられるパターンを予想していこうと思います。

ア)中学校からの同級生

ジャンプのラブコメのヒロインとして度々登場する属性が中学校からの同級生、です。ライトノベルでは幼馴染が登場する場合が多いのですが、ジャンプの場合だと中学校からの同級生として表現されることの方が多い傾向にあります。実際、近年の作品では小咲やうるか、雛といった女の子が登場しています。そして彼女らは往々にして既に主人公のことが恋愛的に好きです。ただそこで1つ問題が発生します。それは「連載開始後の時系列で最初に主人公を好きだと明確に描写される女の子は負ける傾向にある」という点です。例えばニセコイであれば小咲が最初に楽のことが好きだと言及され、結果は大方の読者が知っての通り。雑誌は変わりますが、五等分の花嫁においても三玖が最初に明確に恋心を描かれ、結果としては負けています。

もちろん、作者の描き方次第である意味勝ってある意味負けたうるかというヒロインもいますから、もしそのようなヒロインが登場し、その彼女を推してしまったとしてもあきらめずに応援していきましょう!

 

イ)ライバル社長

ブコメにおいてメインヒロインのライバルとして登場するキャラクターとしてよくあるのが「メインヒロインと近しい立場を持った女の子」です。例えば、ギャングと警察、実家の立場は正反対でも千棘同様にお嬢様である万里花や淳平の映画に東城とともに関わる北大路といった具合にです。

では今回の作品においてメインヒロインを張るであろう彼女と近しい属性を持つとしたらどの要素でしょう…と言ってもキャラの掘り下げも0なのに分かるかいと言いますか、逆に1つしかないだろうと言いますか、という感じなのですが、恐らく最も可能性が高いのは「メインヒロインと同様の女子高生社長」のヒロインでしょう。立場が近く場合によっては事業においてもライバルである2人が今度は恋愛でも火花を散らす、そんなことも想像できますね!

また、得てしてこのような属性の近いヒロインはメインヒロインよりも主人公にグイグイ行く傾向にあるのでメインヒロインにも負けずに頑張ってほしいところです。

 

ウ)秘書

最後は個人的な趣味としていてくれたらうれしいなぁ、という程度のお話です。今回、メインヒロインは社長です。ということは社長秘書がいる可能性があります。とすると、この秘書がサブヒロインとして入ってくる可能性があるでしょう。ジャンプのラブコメはメインとなるヒロインの他に恋愛で勝利を掴む可能性は限りなく低いが度々メイン回が描かれるサブヒロインがいるパターンがあります。ニセコイの鶫誠士郎などはまさにその例です。

従者や親友にあたる立ち位置の人物が主や友の恋心を知りつつその想い人に自分も想いを寄せていることへの葛藤やそれでも抑えきれない想いが溢れ出すシチュエーションがたまらなく好きという個人的な好みと願望からそれを演じるサブヒロインが出てくれると嬉しいなと思います。そしてそんな人物として描きやすいのはヒロインと歳の近い秘書とかなのではないでしょうか?

 

まとめ

とまあ妄想と願望が8割の予想は以上です。「いやいや、だったらこんなヒロインもありえるよ!」とか、「こういうヒロインならこんなシチュエーションが見たい!」とか、まだ始まる前ではありますが、「ひまてん!」にまつわる妄想や予想をぜひぶつけ合えたら嬉しいです!

次回はまだちょっと未定ですが、考察か解説か、そんな感じのネタをやれればいいなと思っていますのでお楽しみに!それではまた次回お会いしましょう!アリーヴェデルチ

6月24日は誰が来る?新ウマ娘予想!!

お久しぶりです!今回はこれまでの漫画の考察から少し離れまして、ゲームの考察をしてみようかなと思います。

さてさて、今回のテーマはウマ娘です。先日、ウマ娘のゲーム内で定例の新情報を取り扱う生放送の情報が入ってきました。そしてそこで衝撃の情報が入ってきました。それがその生放送内にて新たなウマ娘たちが発表されるというものです。しかも”たち”と表現した通り、複数であろうことも予想されます。

今回はその24日でどのようなウマ娘が新たに登場するのか、考察も交えて予想していきたいと思います。また、これまで無理だと言われてきた馬主さん所有の競走馬でも突然発表された例が多々ありますので、現状持っている馬が一頭も実装されていない、などは度外視でやっていこうと思います。

 

 

1.出走者に関係のある競走馬

まず考えられるのは今回の生放送に出演する声優さんの担当するウマ娘、そのモチーフとなった競走馬に関係のある馬です。

今回の生放送に出演される声優さん、その役名を並べ立てていくと以下の通りです。

ニシノフラワー

ジャングルポケット

スティルインラブ

カツラギエース

ラインクラフト

普段だとそこにあともう1人いらっしゃるのですが、今回は新ウマ娘のキャストが入っているということでこの5人を挙げさせていただきます。それでは各ウマ娘のモチーフとなった競走馬があり、新登場の可能性のある馬を解説していきましょう。

a)ニシノフラワー

まずはニシノフラワーから。彼女は92世代の競走馬で、主に短距離と牝馬戦線を主戦場にした競走馬です。そしてそんな彼女と関係のある競走馬で紹介したいのは2頭です。

1頭目シンコウラブリイです。彼女も同様の牝馬であり、ニシノフラワーとは幾度となく対決しています。また、同オーナーのシンコウウインディがすでに実装済みであるため今回ではなくとも後々実装される可能性はゼロではないでしょう。

2頭目アドラーブルです。彼女はニシノフラワーの世代のオークス馬で、桜花賞ではニシノフラワーに苦杯を味わわされています。もし実装されればフラワーとの素晴らしい熱戦が描かれることでしょう。

b)ジャングルポケット

続いてはつい最近映画の主人公として描かれたジャングルポケットです。まあ、むしろ映画をやった分彼の周りで新たに実装、という可能性もあまり高くはないとは思うのですが、一応こちらからも2頭紹介していきましょう。

1頭目テイエムオーシャンです。彼女はジャングルポケットの世代の二冠牝馬です。また、ジャングルポケットとも度々対戦をしています。そのため、彼女が登場すれば映画に絡めてストーリーも作れると言えるでしょう。

2頭目メジロベイリーです。彼はジャングルポケットの世代の2歳(当時は3歳)王者です。また、名門メジロ牧場最後のG1ホースでもあり、ウマ娘内ですでに登場しているメジロ家のメンバーとも絡ませやすいと言えます。

c)スティルインラブ

正直ここに絡めて出す可能性が一番高いと言えるのがこの馬です。スティルインラブは2003年の三冠牝馬で、この記録はメジロラモーヌ以来の快挙と言えます。しかし、彼女の世代の牝馬はまだ実装されておらず、シナリオを作るに当たってはライバルがまだいないという状況です。そのため彼女がらみの新ウマ娘が出る可能性は大いにあるでしょう。

そこで登場すると思われるのがアドマイヤグルーヴです。この馬は女帝エアグルーヴの娘であり、昨年アニメ3期でも大活躍した怪物ドゥラメンテの母です。そして彼女はその血統の良さから3歳牝馬G1そのすべてにおいて1番人気に支持されるもスティルインラブの前に苦汁を嘗めました。しかし、その後エリザベス女王杯で雪辱を果たし、その後の生涯もどちらも早世であったことを除いて真逆と言えるものを送った2頭です。この2頭の対決は舞台をゲームに移しても非常に熱いものとなるでしょう。

d)カツラギエース

続いてはカツラギエースです。彼は同期と1つ下、それぞれの三冠馬を出し抜き、ジャパンカップを制した競走馬です。そして彼に関わる競走馬にも2頭ほど、紹介しておきたい強者がいます。

1頭目ニホンピロウイナー、日本が誇る初期の短距離王です。カツラギエースとも対決をしており、また、ウマ娘的にもすでに実装されているヤマニンゼファーの父としてかかわりが持てる競走馬です。

2頭目スズカコバンです。彼はカツラギエースはもちろん、ミスターシービーシンボリルドルフとも対決した猛者です。そして幾度もの挑戦の果てに宝塚記念制覇の栄誉を手にしています。

e)ラインクラフト

最後はメインストーリー第2部前半の主人公も務めたラインクラフトです。彼女は桜花賞NHKマイルカップを制覇しながらも惜しくも現役中に亡くなってしまった競走馬です。しかしその短い生涯の中でもかなり濃いメンツと対決していますので、その中から2頭紹介したいと思います。

1頭目ダンスインザムードラインクラフトの1年先輩の桜花賞馬です。回数は少ないですが、ラインクラフトとは対決しています。また、ラインクラフトの他にもエアメサイアゼンノロブロイスイープトウショウなどウマ娘にもなっている競走馬との対決も幾度となくあります。彼女の参戦によって2000年代前半の層がより厚く、面白くなると言えるでしょう。

2頭目はオレハマッテルゼです。彼は短距離・マイル路線で活躍した競走馬ですが、そのキャリアは順調であったとは言い難く、初勝利まで4戦、初重賞まで20戦、初G1挑戦まで21戦とかなり時間がかかっています。それでいながらその力と名前でファンを沸かせ、ラインクラフトと対決した高松宮記念では彼女を2着に下してついにG1タイトルを手にしています。

 

他にも競走馬は多くいるのですが、ある程度のかかわりがあり、かつ未実装のウマとしてはとりあえずこんなところでしょうか。出走者の口から新ウマ娘が発表される通例を考えるとこのあたりの競走馬が出てくる可能性もありそうです。

 

2.メインストーリーがらみの競走馬

メインストーリー第2部の更新からはや数か月、出演者に前半の主人公であるラインクラフトの声優さんがいらっしゃることからもここでメインストーリーの更新に関わる情報が出る可能性もあるでしょう。もちろん、後編(もしかしたら中編?)の主人公はシーザリオの方だ!という可能性もままあるのですが、今回は別の世代を取り上げる可能性の方を考えていきたいと思います。

メインストーリーの第2部はティアラ路線、現実で言うところの牝馬路線をテーマに据えたストーリーとなっています。また、第1部の傾向からそう遠い年代の競走馬はでないだろう、というところで今回は2000年代の3歳牝馬G1戦線で戦った競走馬を何頭か紹介したいと思います。

まずは前項と被る競走馬としてテイエムオーシャンアドマイヤグルーヴダンスインザムードです。映画の戦いの裏では、のテイエムオーシャン、主人公としても、ライバルとしても描きやすいアドマイヤグルーヴ、スイーピーとの対決を描けるダンスインザムードと言った感じですね。それぞれ主人公かどうかはわかりませんがメインストーリーのテーマにかなり当てはまっていると言えるでしょう。

そして新たに紹介するのは2頭。1頭目トールポピーです。彼女は当時の競馬界を席巻した最強牝馬2頭の1年後輩に当たります。クラシック路線の猛者たちとも対等に渡り合う大先輩2人との比較や、ラインクラフト同様早世した(と言っても産駒自体は2頭いる)ことから後進育成の意義や大変さなどティアラ路線についての深堀がされるストーリーが作れそうです。もう1頭はブエナビスタです。彼女はスペシャルウィーク産駒の二冠馬です。それゆえ、アニメ1期主人公であるスぺとの絡みも描きつつ、競争成績もさることながら後進育成でも大きな活躍をした憧れの母(もしくは先輩)の背中を追うストーリーが描けることでしょう。

この2頭は別のベクトルから牝馬が自らの血を遺していくことの大変さ、ウマ娘風に言い換えると後進育成の大変さを描き、そして全員が女の子になっているウマ娘世界におけるティアラ路線の意義について考えるようなストーリーを描いていくことができるのではないでしょうか?

 

3.アニメの新企画?

最後にこちらはもしかしたら、という話です。願望もかなり含みますのでご了承ください。

今回の生放送には吉岡さんという未発表のウマ娘の新キャストが出走する予定になっています。ですが、これまで周年の生放送であっても新たなウマ娘のキャストがキャラが紹介される前に出演することは例がなく、言い換えると、吉岡さん本人の口から新ウマ娘の名前と同時に発表したい何かがある、ということではないでしょうか?そしてその可能性として高いと思われるのが映画も含めてアニメの新企画です。その始動を発表するために吉岡さんが出走されるのではないでしょうか?

そこでもし新企画が動いているなら何頭かこのあたりが主人公だったら面白いんじゃないかな、という競走馬をざっと挙げていこうと思います。

それでは4頭一気に行きます。キズナステイゴールドエピファネイア、タイトルホルダーです。それぞれがそれぞれに印象深いレースを持っていてかなり山場が作りやすいのではないかと思います。テレビアニメ向きか映画向きかというのはかなり分かれるところではありますが、このあたりの競走馬が発表されても熱いな、ということで軽く紹介させていただきます。

 

4.僕の本命は?

ここまで合わせて15頭ほどの競走馬を紹介してきましたが、最後にこの紹介してきた中で誰が一番来そうかな、というのを簡単に予想していきたいと思います。それでは競馬の予想風に印をつけてみましょう。

 

アドマイヤグルーヴ

テイエムオーシャン

ブエナビスタ

キズナ

ステイゴールド

 

とまあこんな感じになりました。

これはあくまで今回僕が来る可能性がありそうだなと思った中での予想ですので、「おいおい、あの馬が入ってねえじゃねえか!」とか「いや、○○よりむしろ△△でしょ。」みたいな予想があればぜひとも教えてくれると嬉しいです。

 

まとめ

今回はこれまでとちょっと毛色を変えてこんな感じにしてみましたがいかがでしょうか?面白いと思ってくれたのならうれしいです。

次回が漫画系をやるのか、それともまた別のことをやるのかはまだ未定ですが、次回もまた読んでいただけると嬉しいです。それではアリーデヴェルチ!

なぜ千棘が選ばれた?ニセコイの結末について徹底考察!!!

さてさて、心機一転新たに書いていこうと思うのですが、その1発目がこのネタ、ニセコイの結末に関してです!!

この作品、私が中高生の頃にハマりまして、そのまま全巻順に買い揃えた私史上初のラブコメでございます。さてさて、この度このニセコイ、文庫版が発売されました!!!と言っても投稿時点で既に6巻までは少なくとも出てるかなー、って感じなのですが。懐かしくなり文庫版も買い揃えちゃおうなんて考えている今日この頃ですが、同時に思い出すこともございます。

それは、最終的に千棘と小咲、どちらとくっついたか、その結論に関して大論争を呼んだことです。

まあ私本人は千棘派でも小咲派でもなく、誠士郎ちゃん派でしたのでこの結末については特に思うことはございませんが、フラれた側の小咲派の人たちが私の周囲をはじめ、大騒ぎしていたのは記憶に新しいです。むしろこの結末故にファンが叩いてる場面も見かけました。

さて、このニセコイが連載終了してはや数年、実際のところ大騒ぎするほど結末に無理があったのでしょうか?今回は作中の描写などからその点について考察していきたいと思います!

 

 

 

0.ニセコイとは?

 ニセコイとは2010年代のジャンプを代表するラブコメ漫画作品と言えるでしょう。主人公でヤクザの息子の一条楽とギャングの娘の桐崎千棘はお互いの家による大きな抗争を防ぐために偽物の恋人関係を築くことになります。更にはクラスメイトの小野寺小咲や新たに楽の許嫁として加わる橘万里花など様々なヒロイン達との恋愛模様が描かれていきます。

 物語のもう1つの大きな要素として「約束の女の子」が挙げられます。これは楽が幼いところとある場所である女の子と将来また再会したら結婚しようという約束をした、というものです。そしてその約束の証として楽は錠のついたペンダントを、女の子はその錠を開けられるカギを持っていよう、という約束です。そしてこのペンダントとカギが物語の中心ともなっていきます。

 結論から申しますと、その約束の女の子とはクラスメイトの小咲ちゃんでした。ですが楽はその小咲ちゃんではなく千棘を選ぶという選択をします。そしてその選択に対して小咲ちゃんが読者からの人気を集めていた分反発も大きかったというのが当時の状況です。まあ他にも色々な事情はありますが。

 

1.物語の特性

 ではここまでは大枠の物語の話。次は物語の構造を通して物語の特性を明らかにしていきましょう。

 

a)設定

 このニセコイという作品、設定はかなりぶっ飛んでいることも多々あります。それはやはり他のラブコメ作品と比較して「コメディ」の要素が強いことも影響しているでしょう。それは特に千棘の実家のギャング組織、ビーハイブの発明品の回などを見ていただければ顕著です。

 それ以外の面でもこの作品の根底となる楽と千棘のニセコイ関係が構築されるまでのスピード感などを見ても設定自体はかなり飛んでいる、言い換えると特殊なものであると言えるでしょう。

 

b)恋愛観

 対して、この作品における恋愛観はかなり現実志向であると言えます。それは特にコミックス最終巻の巻末のおまけを見てもらえれば分かります。ラブコメのヒロインはやはり告白の成否のシーンが一番のクライマックスとなっていきます。特に負けヒロインはいわば振られたシーンが一番輝くと言えるでしょう。言い換えると、その後を描く必要はありません。つまり大概のラブコメにおいて主人公に振られたヒロインがどうなるかというのは分かりません。もしかしたら主人公の事を想って生涯独身を貫くかも知れませんが、それは読者には知り得ないこと、となっていきます。

 一方、ニセコイでは先にも述べたとおり、最終25巻の巻末において後日譚を書いています。それは正確には新しく楽達の高校に入ってくるどことなく小咲に似た「咲」が名前に入った女の子と金髪のどことなく楽に似た「一条」を名乗る男の子が出会うというものです。更に最近出た文庫版でもアレカラと称して原作最終話からそのおまけの時点に至るまでの間の出来事をおまけとして載せています。これらの内容から総合すると、選ばれなかった小咲ちゃんはきちんとその後もう一度素敵な恋を見つけて結婚し、娘を設けていることが分かります。

 現実における恋愛でもそうでしょう。誰かクラス内にモテる人がいたとして、その人に振られた人がみんなその人のことを想いながら残りの生涯を過ごすわけではありません。むしろその後の新たな出会いによってまた別の幸せを築く人の方が多いでしょう。ラブコメではあまり描かれないこの後の話をきちんとニセコイではおまけという形で拾っているのです。

 また、現実の恋愛でもよくあることとして単純接触効果についてもこの後には取り上げていきましょう。

 

c)ひずみ

 さて、このようにニセコイは設定はところどころ特殊なものでありつつも作中の恋愛観はかなり現実に沿ったものとなっています。しかしその差によって物語の中にひずみが生じてくることも事実でしょう。

 そしてこのひずみは終盤にかけて大きくなっていきます。その原因は「約束」です。この幼い頃の約束の真実を追う中で徐々に作品の雰囲気がファンタジーに寄っていきます。それ自体は悪いことではありませんが、そこに対して現実寄りの恋愛観が置いて行かれる、言い換えると設定や世界観と恋愛観の溝が大きくなっていくという現象が発生しているのです。

そしてその最大限となったひずみが地震のように炸裂したのが楽が小咲を振るシーンとなっていくのです。結果、特に小咲が好きなファンからの反発の発生や「千棘とは小咲と比べて積み重ねがない」という意見にも繋がっていくのでしょう。

 

さて、次の項目では先ほどとりあげた「千棘との積み重ねがない」という意見に関してそれが本当なのか、検証していきましょう。

 

2.目に見えない千棘の選ばれた理由

a)千棘とは積み重ねがない?

 さて、よくニセコイに関して連載終了後に言われることとして、「千棘とは積み重ねがないにもかかわらず作者の一存で選ばれた」という意見です。物語の表面上を追っていくと確かにそう見えてしまうのも仕方ないのかも知れませんが、それが事実かと問われればNoと言わざるを得ないでしょう。

 

b)単純接触効果

 ではなぜNoと言わざるを得ないのか。それは楽と千棘の間では強力な「単純接触効果」が発生していると言えるからです。そもそも単純接触効果とは、同じ物に何度も触れることによって人でもものでもそれに対する警戒感が薄れ、親しみを感じるようになるというもので、現実の恋愛でも用いられる心理効果の1つです。

 確かに、物語上小咲がピックアップされる回は多く、それによって多くの読者の心を掴んでいたのは事実。ですが、その小咲よりも遙かに長い時間楽と共に過ごしてきたのは千棘です。

 具体的に説明していきましょう。漫画のエピソードとなる、ということはある意味本人達にとって特別なイベントであったということです。しかし、恋愛の関係性が進むのは必ずしもそういった特別な場面だけとは限りません。むしろ何でもない時期の方が重要だったりします。実際、周りの方を見回したとき、こういう方はいませんか?「地元に仲のいい女の子がいて、帰省のたびに一緒に遊んだりしてたけど、彼女は今身近にいる女の子」という人です。私の周りにはむしろ地元に彼女がいるのに毎日部活で会ってた後輩に惹かれてしまった、なんて人も知っています。

 このような事態を引き起こすのが「単純接触効果」なのです。さて、ニセコイの場合に戻ります。ニセコイの場合、そもそも、千棘はこの作品のメインヒロインです。そのため、小咲に負けず劣らずメインとなるイベントが発生しています。そして更に、何度も言及しているこの作品の根本、ニセコイ関係が彼女を後押ししているのです。

 それはどういうことか?皆さんもよくご存じの通り、楽と千棘はお互いの実家の全面戦争を防ぐため恋人のふりをしています。そしてそれは家だろうと学校だろうと関係ありません。そのため、2人は何か事情がない限り登下校の時間を共にしています。更には、関係に疑念を抱かせないため、定期的にデートをしています。そしてこれらの関係を維持するためには綿密な打ち合わせもあることでしょう。実際、2人きりで相談をしている場面が何度もあります。

 さて、これらに関係する話が取り上げられることもありますが、それが常ではありません。もし、登下校やデートの話を全部取り上げたら恐らく漫画の半分は登下校とデートの話になることでしょう。そういう訳にはいきませんので、漫画としてはこういった何事も起きなかった2人にとって日常となっていることに関しては漫画のエピソードにはなりません。つまり、読者には見えない、だけど少し深く考えると想像できるような2人きりの場面が楽と千棘にはかなり存在している、ということになります。

 このような漫画には描かれていない場面における単純接触効果が読者の想定よりも急激な楽と千棘の進展に至る要因だったのではないでしょうか?

 

c)序盤から描かれる態度

 そして一見見えにくい、というより忘れてしまいがちなのが楽は序盤の頃から言うほど小咲一択ではない、ということです。

 序盤の楽はよく小咲のことが好きだと集に対しては発言しており、その想いは我々読者の知るところでもあります。しかし、その本人の発言にしては序盤から千棘に惹かれているのではないか、無視できなくなっているのではないか、という描写も多々存在しています。

 例を挙げるならば3巻で描かれた林間学校。その最終日の夜に肝試し大会が開かれます。突発的なハプニングによって千棘は苦手な暗い場所に1人で明かりもなく放置されるという事態になってしまいました。対する楽はくじ引きで幸運にも小咲とのペアを引き当て、舞い上がっていました。もしやこの2人に進展が…?というところで千棘の状況を知らされました。そのとき、本来なら先生や他の友人に協力を求めてもいい場面であったにも関わらず、楽は脇目も振らず飛び出していきます。せっかく小咲とのペアを引き当てたにもかかわらず、です。その他、プールや1年のクリスマスなど、千棘に関することでは小咲に関する事以上に無茶をする場面が多く描かれています。

 もちろん、偽とはいえ恋人だから、というのもあるでしょうが、それだけでは説明がつかないほど楽は千棘のために身体を張っています。また、最初の特に仲の悪かった頃から楽は千棘の容姿に関しては褒めています。

 これらの情報を鑑みると、楽は自分で言ったり思ったりしているほど小咲一筋という訳ではなく、偽の恋人関係を通して割と早い段階から千棘にも惹かれていた、と言えるでしょう。

 

 ここまでをまとめていくと、現実でも起こりうる単純接触効果を通して楽はエピソードとしては見えない場所で千棘に惹かれていっていた、と考えることが出来ます。また、楽自身気付いていないうちにかなり早い段階から千棘に対しては強い想いを持っていたことも実際の序盤の描写から考察することが可能です。

 

3.なぜ「約束」は果たされなかった?

 それでも納得いかないのは小咲派のみなさまでしょう。「それでもずっと最初からお互いの事が好きだったのに。」「2人は約束をした仲だったのに」そう思われる方も多いことでしょう。ではなぜこの結末となったのか、それを小咲の視点から観ていきましょう。

 

a)なぜお互いを好きになった?

 さて、よく皆さんもご存じの通り、楽と小咲の2人は序盤から両片思いの関係として描かれていました。ではなぜ2人はお互いの事を好きだと感じるようになったのでしょうか?「約束の子」だから?いいえ、違います。ただお互いの人柄に惹かれたからです。

 これが何を示すのか?それは「2人は約束の子のことは幼い頃の思い出として大切にしているだけでその約束の子と今も付き合いたいと思っているわけではない」ということです。確かに、2人の発言として約束の子がお互いだったら良いな、というものはありますが、実際、2人は10年前に出会っていたことは早い段階で知っていても、物語最終盤までお互いが約束の子だったことは知らず、中学の頃からの知り合いとして恋に落ちています。

 逆にこれは実際の関係性はともかく、2人が恋に落ちたきっかけは現実でもよくあるもので、言い換えると何らかのきっかけで簡単にその両片思いの関係は破綻し得た、ということです。そしてそのきっかけとなってしまったのが集英組とビーハイブの抗争の激化とそれに伴う偽の恋人関係の締結だったわけです。

 

b)やはり大事な作品の恋愛観

 もう1つ、大きく重要になってくるのがやはり作品における恋愛観です。先にも述べた通り、ニセコイの恋愛観はかなり現実志向です。つまり、この現実志向の恋愛観が小咲の失恋にも大きく関わってきてしまったと言えます。

 例えば、先にも挙げた、根っこの関係性によって見えにくくなった本来のよくある恋に落ちるきっかけです。よくある、というのは言い換えると何かちょっとしたきっかけで崩れてしまうような実は不安定な状況ということで、その状況が実際に千棘の登場で崩れた、と言えるでしょう。また、皆さん自身よく思い出してみてください。幼稚園のとき、自分にせよ友達にせよ、誰かと結婚する、と約束していたことがあるでしょう。そして今あなたやその友人の隣にはその約束の人はまだいるでしょうか?いる人もいらっしゃるでしょうが、そう多くはないでしょう。実際、体感のことではありますが、中々そんな人に会うことはありませんよね。

 このような恋愛観が作品の中に存在することで結果的に恋愛の進展に関しては物語的お約束は働きにくかったと言えます。

 もちろん、物語を進める上でのどうしても避けられないご都合主義的としてのお約束はニセコイにおいても野球ボールなど様々ありますが、そちらはギャグとして昇華されることも多く、恋愛の発展には繋がっていません。そしてそのようなお約束展開は千棘と小咲の両方に発生していました。

 つまり結局のところ、恋愛が進展していくにあたってニセコイにおいては現実的な恋愛の進み方が優先され、よくあるお約束はギャグに流れるなど恋愛の結末には大きく影響していないと思われる、ということです。

 

c)小咲は優しいけれど…

 そして最後に問題となってくるのは小咲の性格的な問題です。これは小咲が優しいのがある意味問題でした。

 小咲が優しいのはこれまでにもずっと言われてきており、それは楽を始めとする多くのキャラ達の口から言及されてきていました。ですが、むしろこの優しさが彼女にとっては仇となったとも言えるでしょう。

 小咲の優しさは言及だけでなく様々なシーンで発揮されています。しかしその優しさは時として恋愛の進行の邪魔となります。実際、様々な大きなイベントにおいて何かハプニングが発生したとき、楽が自分をほったらかしにして解決に向かってしまったとしてもそれに対して文句を言うことは一度もありませんでした。言い換えると、もしそこで引き留めるなどの行動が発生していた場合、恋愛の進行度は間違いなく実際の物語よりも大きく進んでいたことでしょう。

 また、優しいが故に楽も気を遣うという場面もありました。優しいが故にそれが本心であるかどうかにかかわらず何かムリをしているのではと心配を生み、どこか楽にもそれに合わせた仮面が外せなくなっていたように思えます。その点、千棘は良くも悪くも素直で、大概の場面で嫌なことは嫌と、嬉しいことは嬉しいときちんと言葉でも行動でも伝える分、楽もより自然体であり、それ故により関係は進みやすかったのではないかと思われます。

 小咲の優しさはそれこそが彼女の魅力であり、それを欠いたら小咲じゃないと思われる方もいるでしょう。しかし、恋愛における戦略上は彼女が優しいが故にお互いにあと一歩を踏み込めないでいる内に楽の気持ちはより自然体でいられる千棘に傾いていってしまったと言えるでしょう。

 

 まとめると、小咲自身は非常に魅力的な女の子であり、だからこそ楽は長いこと彼女を想い続けてきた事でしょう。ですが、お互いの好きになったきっかけそのものは特段珍しいものではなく、更新されうるものであったことや、物語の構造、そして小咲自身の性格が結果的に楽との縁を引き寄せるに至らなかった要因ではないかと思われます。

 

4.結論

 ニセコイという物語は設定のファンタジーさに対して恋愛は読者には見せない何事もない部分で進行していくという現実的なものであるが故にそのひずみが読者、特に小咲派の方の納得感の薄さに繋がってしまっているのでしょう。

 しかし、このように物語の要素1つ1つを現実世界の恋愛と照らし合わせてみると、以外と楽が千棘を選んだことに関して疑問符だらけ、ということはなくなってくるのではないでしょうか。

 小咲が一番アドバンテージを持った状態で物語をスタートしていながら、物語の性質や本人の性格的なものによってあと1歩踏み込めないでいる内に、偽物の恋人関係を通して物語のエピソードにもならないような日常の一コマにおける単純接触効果によって本人同士ですら気付かないうちに千棘との関係の方が進んでしまっていた、というのが本考察において結論づける、千棘が最終的にヒロインとして選ばれた要因です。

 また、この結末は既に中盤において示唆されていたとも言えるでしょう。それは楽が千棘の誕生日の直前に記憶喪失になるエピソードのことです。楽は記憶を取り戻す直前、千棘に「今約束の女の子が目の前に現れたらどうするか」と問われます。それに対して楽は「その子は初恋の人かも知れないが、今は千棘がいるのでどうにもしない」と返答しています。この場面においては千棘は実際はこの恋人関係は偽物であるため、楽の言うとおりにはならないと考えています。しかしそれは一方でもしこの関係や気持ちが本物になったときには約束の子ではなく千棘を選ぶ、ということの示唆でもあります。そして結果、物語を経て楽の千棘に対する気持ちは本物へと変わり、そして千棘を選ぶことにも繋がっていくのでしょう。

 余談ではありますが、物語の結末を否定するファンの意見の中でよく「千棘より○○の方が魅力的だろ」や「千棘の魅力が分からないんだけど」といったものを目にしますが、これは楽にとっては大きなお世話というものでしょう。結局のところその「魅力」というのは読者である我々から見て「魅力的」に見えるだけで、楽が誰を「魅力的」であると捉えるかは楽の勝手なのだから。

 近年、ガッシュやスケダンなど文庫版となった作品やその作者に新たな動きが見えるパターンが出てきています。それは作品の続編が作られたり、同じ作者の似た系統の新作が生まれたり、というものです。それを踏まえると今回、ニセコイの文庫版が全て出た暁には、すぐかどうかは分からないが、古味先生にも何か動きが見えるかも知れません。それがニセコイのメンバーの子ども世代を描くのか、それとも似たような王道ラブコメが生まれるのかは分かりませんが、今回ニセコイの結末に納得のいかなかったという人たちもそのまだ見ぬ新作で自らの望む結末が見られるよう祈りながらまた物語を振り返ってみるのもまた乙なものではないでしょうか。

 ここまでとりとめのない文章を読んで頂きありがとうございました!次にどんな作品を取り上げるかはまだ考え中ですが、次の更新もどうかお楽しみに!それではアリーヴェデルチ