みなさんこんにちは!リアンです!秋の改編も終わり、久々のハンタの物語に胸を躍らせた今日この頃、再びジャンプの勢力図にも変化が見えてきました。大ピンチ化と思いきや急上昇した漫画、逆に安定したかと思えばまた不穏な位置に来てしまった漫画、と作品ごとに様々な動きが見られます。
となると気になるのは次回の改編がどのようなものになるのか、という話です。しかもこの夏にヒロアカ・呪術とこれまで長いことジャンプを支えてきた2本の看板がジャンプを去り、未来の看板の座をかけた熾烈な争いが展開されており、ここから先のジャンプは様々な作品入り乱れる群雄割拠の時代になると予想されます。
そこで今回はジャンプの現状をもとに次回の改編で加わる作品のジャンルについて考察・予想していこうと思います。
今回の考察に当たっては前回の中間考察の内容も用いていきますので、よろしかったらそちらの方も以下のリンクからご覧ください。
1. 前回の改編
まずは本格的な考察を始めていく前に前回の改編についてさらっとおさらいしていきましょう。
前回の改変において最も大きな事項は呪術廻戦の連載終了でしょう。特にその前の改編でもヒロアカが終わったため2期連続での看板作品の完結ということになり、ジャンプに激震が走りました。
それと同時に終了した作品が計2作品。1つ目は那波歩才先生の死霊術士バトル漫画『極東ネクロマンス』、2つ目が小林おむすけ先生の超能力日常漫画『さいくるびより』です。両作品ともそれぞれの独自の色を見せた形ではありましたが、残念ながら今回はジャンプ内の生存競争に敗れてしまいました。
一方の新連載。こちらはかなり開始前から話題を呼んだ作品とそうではない作品に分かれました。というのも3作品の新連載の第1弾となった『魔男のイチ』、こちらの作品は原作があの『魔入りました入間くん』を今もチャンピオンで連載している西修先生、そして作画が『アクタージュ』の作画担当としてその美しい絵柄で一世を風靡した宇佐崎しろ先生というゴールデンコンビによるものだったからです。また、前作『アメノフル』でも設定の目新しさとそれを支えるダイナミックな構図に定評のあったたけぐし一本先生とみたらし三大先生が再びタッグを組んだ『しのびごと』もそれなりに長いジャンプ読者からは期待の声が上がっていました。一方で3作品目の『白卓 HAKUTAKU』は作者の石川光貴先生が本誌に関わるのは初であったこともあり、他の2作品と比較するとあまり話題に上がらなかったという印象でした。
また、もう1つ大きなニュースとしてあの『HUNTER×HUNTER』が帰ってくるというものがあります。前回休載に入った際、週刊連載はもうやめるという趣旨の情報もあったため、毎週掲載されるかはわかりませんが、ある程度の期間再びあの胸躍る冒険を楽しむことができると思うとわくわくする気持ちでいっぱいです。
さて、前回はこのような形で改編が行われたわけですが、その傾向を見てみると、バトルの入れ替えを行って時期看板候補を探す動きが見られます。前回同様の考察を出した際、現状ジャンプは10年前と比較してバトルものが多いため、減らしていくのではと考察しましたが、看板が一気に2作品終了したとなると話が変わってきます。やはりジャンプと言えばバトル漫画。次期看板バトル漫画が安定して初めてジャンプの誌面のバランス調整にも入れるというものです。ここからは今回の新連載の調子次第ではありますが、しばらくバトルものの数は現状維持の状態で時期看板候補を探す動きがみられるのではないかと予想します。
2.現在のジャンプ
それでは本格的な考察に移っていきましょう。そのためにもまずは前回同様現在のジャンプの状況を確認していきましょう。確認する内容としては主に現在の連載作品のジャンル別の割合と下位掲載作品の状況です。
a)作品割合
1つ目に確認していくのは現在の作品のジャンル別の割合です。手っ取り早い話、現在のジャンプの中にバトルものや恋愛ものなどがそれぞれどれくらい掲載されているのかという話です。ただ今回の新連載の1つである白卓は一概にこのジャンルと言い切ることのできない系統の作品ですので、あかね噺と同様、「その他」という形で分類させていただこうと思います。また、前回はバトルとコメディの両方に1ずつ加算したキヨシくんですが、話の展開から今回はバトルものとしてカウントしていこうと思います。
それでは現在のジャンプのジャンル別掲載割合は以下の通りです。
バトル:61.9%(13/21作品)
コメディ:19.0%(4/21作品)
恋愛:9.5%(2/21作品)
その他:9.5%(2/21作品)
※その他は上記のジャンルに含まれない系統の作品
前回と比べてさらにバトルものの割合が上がっています。その一方でキヨシくんが本格的にバトル路線に舵を切ってきたこととさいくるびよりの連載終了に伴いコメディと言える作品は数を減らしました。その一方で変化のないポイントもありました。それはスポーツものが変わらず0であるという点です。やはりこれはかなり異質な事態であると言えましょう。
b)下位掲載作品
続いて現状の下位掲載作品の状況です。この下位掲載作品とは前回の記事で考察対象とした範囲(2024.32~45)における新連載補正期間を除いた平均掲載順下位作品のことです。詳しい数値は前回の記事を参照していただきたいのですが、こちらの記事では現状の下位掲載作品とその平均掲載順を載せていこうと思います。
1.キルアオ 15.6位
2.アンデッドアンラック 15.0位
3.悪祓士のキヨシくん 14.6位
4. 超巡!超条先輩 14.5位
5. 願いのアストロ 13.2位
前述のジャンルと照らし合わせると現状の下位掲載作品のジャンルはバトル4作品、コメディ1作品という形になりました。現状のバトル偏重の状況を踏まえても特にこの中のバトル作品はかなりピンチだと言えるでしょう。
また、平均掲載順調査の前後で急激な掲載順の変動を見せた作品も存在します。まずは急上昇を見せたのが上記のランキングにも入っている願いのアストロです。こちらは44・45号の2週にわたって一ケタ台を獲得しました。それによって一気に平均掲載順を良化させています。今後の推移次第では打ち切り候補から一気に看板候補にまで成り上がることも夢ではないでしょう。また、超巡も今後を見守っていきたい推移を見せました。というのもこれまで超危険水域での連載を見せていた中、45号で急に3位という高順位を獲得しました。また、来週号もセンターカラーであることが確定しています。逆にカラーであるがゆえに正確な立ち位置が読み切れない側面もあるのでここから数週の動きには注目でしょう。
一方、WITCHWATCHと鵺の陰陽師の両作品は41号以降少々下降調子なところが見受けられます。ウィッチに関しては来年アニメが控えているためすぐにどうこうなってしまうということもないでしょうが、逆にそういった盾のない鵺の陰陽師はここからしっかりもう一度少し前の安定した位置まで戻していきたいところです。
更にピンチなのはキルアオとキヨシくんでしょう。アンデラも危険と言えば危険ではあるのですが、ストーリーが最終盤に来てしまっているため、そこを踏まえると打ち切りを回避してしまう可能性が低くはありません。打ち切りを伝えるより普通に終わってもらった方がエネルギーも使わないわけですから。その点でキルアオとキヨシくんは厳しいと言わざるを得ません。キルアオはまだまだ物語も佳境という中でこの低空飛行ですし、キヨシくんに至ってはまだ連載開始間もありません。と考えると次回の改編に向けてはこの2作品の動向がかなり注目のポイントと言えます。
次項ではこれらの掲載順ピンチの作品の動向なども踏まえて次回の改編について考察していこうと思います。
3.次回の改編
それではここからは次回の改編でどのような作品が加わりそうか、考察・予想していきましょう。
a)H×Hの動向
今回の考察で1つキモとなる要素は45号より掲載が再開されたH×Hの動向です。まずこれまでのH×Hは通例として単行本にして1巻分(10話)の週刊での掲載を終えたら再び休載に入るという形を取っていました。もし今回もその通り動くのであれば2025年の2号で10話分という形になり、ここまでで休載となる、ということになります。そしてそうなるとH×Hの掲載終了は次回の改編に組み込まれるという形になります。一方で9月末の冨樫先生のXアカウントの投稿には「20話分のペン入れが終了し、さらに年内であと10話分を完成させる」という旨のポストがなされました。これによってH×Hファンは今回はこれまでとは異なり、もっと長く読めるのではないかという期待に胸を膨らませた反応をした人も多くいました。しかし、ここでネックとなってくるのが現在のジャンプはH×H含め21作品体制になっているという点です。通常ジャンプは20作品の連載作品を同時に連載している形を取っています。つまり現状は1作品オーバーしているのです。これはかなり大きな要素で、H×Hの動向次第で次回の改編で打ち切られる作品の数が変わってくるということになるのです。
具体的に説明していきましょう。現状ジャンプは1作品オーバーした状態で刊行されています。ということはどこかで必ず掲載終了作品と新連載の数を1ずらすことで作品数を調整するタイミングが来る、ということです。となるとこの話は要は現状ジャンプはどういうつもりで1作品オーバーした状態を容認しているのか、という話です。単純に冨樫先生はかなり先まで話を完成させているけどとりあえずは10話で休みに入る、ということであればH×Hを除いて2作品なら2作品ずつの入れ替わりで済み、新連載と同じ数での打ち切りが行われるということになります。これはいつも通りです。また、H×Hは週刊連載をやめるという発表もあったので、その通り毎週の掲載ではなくなるが定期的に最新話が掲載される、などであればそちらも同様、掲載作品の変動に大きな影響はありません。
問題はH×Hがこれまでとは異なり20~30話一気に掲載される場合です。その場合、H×Hが休載に入るタイミングは遅れ、その結果そのタイミングは次回の改編には間に合わなくなります。しかし、ジャンプ編集部も商売である以上作品数が多い、つまりコストが高い状態を続けたくはないでしょうから、H×Hの休載よりも早く作品数の調整を行う可能性は大いにあると言えます。となると新連載の数に対して打ち切りの数は作品数調整のため1増えるということになり、より熾烈な生存競争がここから繰り広げられるということになるのです。
b)作品入れ替わり予想
それではそのようなH×Hの動向の流動性も頭に入れた上で作品の入れ替わりの予想をしていきましょう。
まず連載終了作品の数は合計で3作品ほどではないかと予想します。ただ上述の通り、H×Hの動向次第で打ち切り作品が2作品になるか3作品になるかは変わってくると思われます。そのため今回はH×Hとはまた別に現状のジャンプの状況から一番可能性が高いと思われる2作品が連載を終え、同数の新連載が追加される場合を想定して作品の入れ替わり予想をしていこうと思います。
まずは終了作品。今回は全作品の状況を見るに円満に終了する作品はないと思われます。ギリギリ可能性があるとすれば夜桜さんちの大作戦くらいではないかと思われますが、後日譚を3話入れ、今年度いっぱいの52号までの連載になるとした場合、あと4話でラストの戦闘が終わるとは現状考えにくいので今回はその可能性は低いものとして扱おうと思います。となると今回は2作品の打ち切りになると思われます。となると可能性が高いのは現状ではキルアオ・アンデラ・キヨシ・村上の4作品でその次点で超巡あたりです。コメディ作品が少なくなってきている現状でいきなり2作品切ることはあまり考えにくいのでジャンルの割合としてはバトル1・コメディ1もしくはバトル2という形になると思われます。バトル作品の中で終わる可能性が最も高いのは展開がかなり巻いてきているアンデラでしょう。と言ってもこの作品は仮にも4年近くジャンプを支えてきた中堅作品です。ただ打ち切るというのではなくGIGAなどに移籍してある程度ラストまで描き切らせて形の上では完結、だけどそれより少し早めにジャンプ本誌の誌面からは去るなどのパターンも考えられます。続いて危険なのはキルアオです。こちらは掲載順などかなり厳しい状況が続いていますので今掲載中のバトルが終了した後の展開次第では一気に終わりが見えてくる場合もあり得るでしょう。コメディで一番危険であると思われるのは妖怪バスター村上です。こちらは再序盤に高評価を得られていないのはかなり響いていることが考えられます。巻末固定のギャグ枠がこの作品に久々に適用されたことで掲載順から読み取るのは難しいですが、現状のコメディ枠の作品の中ではこの作品が一番厳しいと言っても過言ではありません。また、先述の通り超巡も油断なりません。45号では3位を獲得し、46号ではカラーも獲得することが確定していますが、その分今すぐ動きを読むのが難しい部分があります。もしカラー明けの順位がまた以前の危険水域まで落ちてきた場合にはこちらが先に連載開始している分優先して終了させられることもあり得ない話ではありません。こちらの動向は要注目です。また、ここには挙げてこなかったキヨシくんも十分危険な位置にはいます。展開に巻いている様子などはありませんが、試験編が終わった後すぐに俺たちの戦いはこれからだENDを迎える場合もあるでしょう。このあたりの5作品の中から上述のジャンル割合で2作品の連載終了が一番可能性の高いパターンではないかと考えます。
一方の新連載についてはやはりまずは前回同様スポーツものの追加は推していきたいところです。現状のジャンプには何らかの競技を取り上げてのスポーツものは1作品もなく、それに近しいことを時々するのがアオのハコという状態です。確かにメジャースポーツの大概には近しいところで強い作品がいるのでなかなか大変なのかもしれませんが、そろそろ中心ではなくともジャンプを支えるスポーツものが欲しいところです。一方でジャンプの急務となっているのが次代の看板を担うバトル漫画です。現状ではカグラバチがまずその立ち位置に入りそうな予感がしていますが、ヒロアカと呪術という2枚看板を同時に失ったジャンプの現状としてはあともう1作品看板を張れる作品が欲しいところです。現在の連載陣からそれが出てこないとは言いませんが、むしろそれが出てくるまではある程度リソースを割き続ける必要はあるでしょう。そしてコメディも特にギャグ漫画を探していきたいところです。というのもロボ子が4年を超えるギャグ漫画としては長期の域に入る連載期間となりいつ終わってもおかしくないこと、そして現状の他のギャグ漫画が少々不安定であることを総合すると急務というほどではありませんがある程度意識を向けておく必要のあるジャンルだからです。これらの状況を総合すると次回の改編で加わる新連載はジャンルにしてスポーツ1・バトル1もしくはバトル2という構成になるのではないかと思われます。
まとめ
今ジャンプは大きな変革の時を迎えています。そしてそのような中で次代の看板の座を狙って多くの作品がしのぎを削っています。この熾烈な戦いを制することになるのは今なお戦い続ける現連載陣か、それともまだ見ぬニューフェイスなのか、その行く末を見守っていきましょう。また、これを読んでくださった方はぜひもし次新連載が来るならこんな作品になるんじゃないか、とかこんな作品が来てくれたら嬉しいとかコメントしていただけると嬉しいです!それではまた次回お会いしましょう!アリーヴェデルチ!